落ち込んでいる友人を慰さめる時には、どんな言葉をかけてあげるのがベストなのか?問題
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世の中にはいろんなストレス対策がありますが、なかでも効果が高いもののひとつが「ソーシャル・サポート」。要は「いざというときは頼りになる友人や家族がいる!」みたいな感覚が、ストレスに強いメンタルを作り上げてくれるんですよ。いまのようにストレスが増えやすい時期には、まさに欠かせないポイントっすね。
で、新しい実験(R)は、「ヘコんでる友人をなぐさめるには、どんな声のかけかたが最適なの?」ってポイントを調べてくれててタメになりました。落ち込んでる人にアドバイスしたらなぜか空気が悪くなったり、逆に相手が不機嫌になっちゃったりと、友人への声かけが逆効果に終わるケースはままあること。この問題を避けるにはどうすりゃいいの?ってことですな。
これはペンシルベニア州立大学の調査で、既婚の成人478人を対象にしたもの。まず全員に何をしてもらったかと言いますと、
- パートナーとケンカになったときのことを思い出してもらう
- そのケンカを相談できそうな友人を一人だけ思い描いてもらう
- 6パターンの「なぐさめの言葉」を参加者にわたし、「友人からどのフレーズでなぐさめられたらうれしいですか?」と尋ねる
みたいになってます。過去のストレスフルな状況を思い出させたうえで、どのような「なぐさめ言葉」がもっとも効果的なのかをチェックしたわけですね。
その際、研究者が用意した「なぐさめ言葉」は、「他者中心レベルが高いかどうか?」って観点からフレーズを6段階に操作してます。どういうことかと言うと、
- 他者中心レベルが高い=ヘコんでる相手の気持ちや感情を認識してあげるタイプのフレーズ(「そんな状況で動揺するのは誰でも当たり前だよねー」みたいなやつ)
- 他者中心レベルが低い=実用的なアドバイスをするタイプのフレーズ(「そんなに落ち込んでもしょうがないから前を向こうぜ!」みたいなやつ)
といった感じにわかれます。これらのメッセージを読んで、参加者がどんな反応を示すかを調べたわけっすね。
その結果がどうだったかと言いますと、
- 他者中心レベルが低いフレーズは、ネガティブな感情の改善には役立っていなかった。それどころか参加者の怒りに火を注ぎ、「納得できない」と思われる傾向も強かった
- 他者中心レベルが高いフレーズは、ネガティブな感情の改善のレベルが高く、怒りや批判思考を下げる働きも見られた
だったそうで、そりゃそうでしょうなーって感じがしますね。
研究チームいわく、
ひとつ推奨したいのは、落ち込んでいる人をなぐさめる時は、
相手が「命令されている」と感じるような言語を使わない
ことだ。例えば、悩んでいる人に「そんなに難しく考えないで」とか「もっと楽しいことを考えよう」などと、相手の感情や思考を指示するのは良くない。
その代わりに、相手に自分の考えや感情について話すように促せば、その人が自分の感情や行動を変える方法について自分なりの結論を出すことができる。
落ち込んでいる人を助けるときには、他者中心としたメッセージを心がけるようにしておきたい。
とのこと。他人をなぐさめたいときは、実用的なアドバイスではなく、シンプルに向こうの感情を認めてやるのがベストなんだ、と。ナラティブ・セラピーとかの発想に近い感じですかねー。
もちろん、今回の研究は人工的なストレス環境を設定してるんで、現実の世界だともうちょい違った傾向も出るのかも?という気はしております。ただ、自分がストレスを感じた時のことを考えても、単純に感情を認めてもらうだけのほうがいいってのは、よくわかる気がしますねぇ。