子供を運動する気にさせるには?ってのを調べたら、結論は大人とほぼ変わらないなーとか思った話
「子供を運動させたいならここに気をつけよう!」といった内容のデータ(R)が出てたんですが、大人にも適用できそうな内容でいい感じでした。
これはユバスキュラ大学の研究で、7歳から10歳の子供たち79人を対象にしたもの。全員に長時間のインタビューを行なって、
- どんな時に運動したくなる?
- 両親が何を言ってきたら運動が嫌になる?
みたいなテーマで話を聞きまくった調査になっております。データとしてはゆるめな内容ですが、「運動のモチベーションを上げるには?」って問題にお悩みの方にはいくばくかの参考になりましょう。
で、まずは、ほぼすべての子供が「これをされると運動が嫌いになる!」と答えたものから紹介すると、
- 身体活動とスクリーンタイムを並列させたガイダンス
だったそうです。小難しい言いまわしになりましたが、要するに「スマホばっか見てないで外に遊びに行きなさい!」みたいな物言いのことです。運動をさせるためにスマホの利用時間を減らそうとすると、子供の抵抗はなによりも大きくなる傾向があったそうな。
これは、いわゆる「心理的リアクタンス」ってやつで、「宿題をしなさい!」と言われたら「いまやろうと思ってたのに!」と返したくなる現象と同じもの。人間は何よりも自由の制限を嫌う生き物なので、行動の選択肢を奪われると激しく抵抗する心理が働くんですよね。大人にも普通に起きる心理でして、会社のマイクロマネージメントがいかに従業員のモチベーションを下げるかは「科学的な適職」にも書いたとおりです。
というわけで研究チームは、「運動か?それともスマホか?」の二択で子供を導くのをやめて、あくまで両者は独立したものとして時間を割り当てるように提唱しておられます。好きなものから引き離して運動をさせたら、意識の中ではエクササイズが敵になっちゃいますからね。
では、逆に運動のモチベーションを高めるにはどうすればいいかと言いますと、ここでは4つのアプローチが「効果的」と判断されております。
1. 運動の自由を促進する:運動用シューズやバスケットボールなどを備えておき、「いつでも運動できるよ!強制はしないけどね!」って態度をアピールする。
2. 興味に合わせた活動を探す:ゲーム好きならサバゲーに誘導したり、リングフィットを与えたりとか。漫画好きなら好きな作品のキャラがやってる活動をすすめてみたりとか。
3. 体を動かす趣味を見つける:キックスケーターだろうがゴミ拾いだろうが散歩だろうが、とにかく子供が自由に選択できる趣味ならなんでも良い。
4. 一緒に体を動かす:実際のところ、もっとも子供のモチベーションをかき立てたのは「親が子供と一緒に体を動かす」だったそうです。大人でも「運動習慣を作るにはなんだかんだで仲間を作るのがベスト」って話がありましたが、これは子供も同じみたいっすね。
おそらく、このなかでは「一緒に体を動かす」と「興味に合わせた活動」が取り組みやすくて効果も大きいんで、まずはこのあたりから手をつけていくと良さそうっすね。研究チームいわく、
子供たちは、親の行動が横暴で厳しいと感じているケースが多かった。このような状況を積極的に打ち破り、運動のモチベーションアップにもっとも役立つのは、親が子供とともに活動することだ。
とのこと。ざっくりとポイントをまとめれば、
- 自由と個性を重んじよ!
って話でして、とにかく「強制されてる感覚」をなくすのが大事ってのは、子供のみならず万人に言えることでしょうねー。