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【秋のマインドフルネス祭り】瞑想で睡眠改善、意思決定改善、心疾患リスク改善、催眠療法とセット


  

みんな大好き「マインドフルネス瞑想」に関する新しいデータがいろいろたまったんで、ちょっとまとめておきまーす。

 

 

瞑想で睡眠の問題を解決する4ステップ

金縛りに瞑想が効く!」ってなパイロットスタディが出ておりました(R)。金縛りは正式には睡眠麻痺と呼ばれていて、起き抜けに体が動かなくなって声も出せなくなっちゃう状態を意味しております。個人的には過去に1回しか経験したことがないですが、あれはなかなかビビりますね(海外では「悪魔つきだ!」とか言われるらしい)。

 

 

で、この実験では10 人のナルコレプシー患者さんに協力をお願いして、金縛りにあったら以下の4ステップをふむように指導したそうな。

 

  1. 体験の再評価:「金縛りは超常現象ではないし、意外と誰もが経験する普通のことなんだよ!」ってのを自分に言い聞かせる。

  2. 感情との距離を取る:金縛りは普通の体験なので、特に心配したり恐怖を抱く理由がないんだよーと自分に言い聞かせる

  3. 内向き瞑想:自分にとってポジティブな記憶に意識を集中し、瞑想を行う(誰かに褒められた、とか)

  4. 筋弛緩:筋肉をリラックスさせて、自分の呼吸や動きをコントロールしないように気を配る

 

全体的に定評の高いメンタルテクが使われてまして、これは「金縛り対策」以外にも十分に使えるんじゃないの?って内容になってますね。普通にメンタルがへこんだときに使ってもかなり効果が出そう。

 

 

参加者には4週間続けて日記をつけてもらい、金縛りがどう発生したかをチェックしたところ、

 

  • 瞑想グループは、金縛りの発生日数が50%減り、総発生回数も54%減った
  • 対して、瞑想をしなかったグループ(深呼吸をくりかえしてもらったらしい)には変化がなかった

 

って感じだったそうな。まだ初歩的な研究ではありますが、上で紹介した「4ステップ」は使い勝手がよくまとまってると思いますので、覚えておくといい感じっすね。

 

 

 

マインドフルネス訓練が意思決定能力を向上させる?

自閉症スペクトラムの子どもたちにマインドフルネスの訓練は効くか?」ってのを調べた研究(R)が発表されてました。これは自閉症スペクトラムと判断された27人の子供(10〜17歳)を集め、 8 週間のマインドフルネス訓練をしてもらったらしい。

 

 

これがどんなトレーニングだったのかと言いますと、

 

  • マインドフルネスの基本的な考え方を教える(「いまここに集中するのが大事だ!」みたいな)
  • マインドフルネスの呼吸法や、自分の身体、思考、感情に対して善悪の評価を交えずに観察する方法を教える

 

みたいになってます。とにかくマインドフルネスの基本的な考え方と実践法を教えこんだみたいっすね。

 

 

実験期間は8週間で、プログラムの前後に、衝動のコントロール、注意力、意思決定力などをチェックしたところ、

 

今回の実験では、マインドフルネスを学んだ子供たちの感情の制御、セルフコントロールの維持、注意を集中する能力が上がった。これは子供たちの実行機能が改善されたのが大きいかもしれない。

 

マインドフルネスを実践することで、生徒たちは今この瞬間を大切なものとして扱い、他のことはすべて手放すという大切なスキルを身につけることができる。

 

って変化が確認されたそうな。マインドフルネスを学んだ子供は衝動的な行動が減り、より良い判断ができるようになったわけですね。もちろん小規模なテストなんであれですけど、瞑想のトレーニングを行うモチベーションアップにお使いいただくといいんじゃないでしょうか。

 

 

 

瞑想で心疾患リスクが下がるかも?

ベイラー大学などから「瞑想で心疾患リスクが下がる!」って研究(R)が出ておりました。これは61,000人以上を対象にした観察研究で、普段から瞑想をやってる人と、瞑想をしてない人の違いをみたんだそうな。

 

 

すべての参加者のうち、定期的に瞑想をしてた人はほぼ6,000人。ここから年齢、性別、喫煙、BMIなどを調整したところ、

 

  • 瞑想をしている人たちは、してない人と比べて、高コレステロール、高血圧、糖尿病、脳卒中、冠動脈疾患のリスクが低かった

 

  • 具体的には、瞑想をした人が冠動脈疾患をわずらう確率は、しない人と比べて51%の確率だった。その他、高コレステロール 65%、糖尿病 70%、脳卒中 76%、高血圧 86% だった

 

って感じで結構な違いが出たんだそうな。うーん、すごい。

 

 

もちろん観察研究につきいろんな限界もありまして、

 

  • みんながどんな瞑想をやってるかまではチェックしてない
  • 普段からどれぐらい瞑想をやってるかなどもチェックしてない
  • 瞑想をやるような人は他のことにも気を使ってるだろうから(野菜を食べるとか)、そこらへんが心疾患リスクの低下につながってる可能性も否定できない

 

ってのは悩ましいとこっすね。特に最後のポイントはかなり結果に影響してるような気がしております。まぁ瞑想がストレス解消に良いのはほぼ確実でしょうし、そのおかげで心疾患リスクが下がる可能性も十分ありますんで、そこらへんのメリットを求めて実践してみるのもいいんじゃないでしょうか。

 

 

 

マインドフル+催眠療法で威力が倍増する?

催眠療法には一定の指示があるわけですが、これをマインドフルネスと組み合わせると効果がアップするんじゃないの?ってデータ(R)が出ておりました。

 

 

これはベイラー大学などの調査で、まずチームの結論から紹介するとこんな感じ。

 

マインドフルネスと催眠療法を1回のセッションで組み合わせれば、既存の治療法と同等かそれよりも優れた効果をもたらす可能性がある。それも、時間の効率がよく、負担は少なく、使いやすいという利点が強い。これは、不安やストレスを軽減するための貴重な選択肢になるかもしれない。

 

ってことで、チームは42人の参加者を集めて、

 

  1. マインドフルネス+催眠誘導を週1回やる
  2. なにもしない

 

って感じで違いをみたところ、研究が終わったころには、

 

  • マインドフルネス+催眠誘導をやったグループはストレスが激減!(なにもしない人たちには変化なし)

 

ってことで、かなり良い成績が出たらしい。サンプルサイズが小さいのであれですが、マインドフルネスが苦手な人は、確かに催眠誘導がついてたほうがやりやすいかもしれないっすね。

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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