私たちに謎の不調をもたらす「死の不安」をチェックするための18問
「最高の体調」では、謎の体調不良が起きる原因のひとつとして「死の不安」をあげてたりします。普段から気にしている人が少ないポイントでしょうが、「無意識に抱く死の恐怖」に苦しめられちゃって、それで少しずつ病んでいく人は意外と多いんですよ。そこで、「最高の体調」の第7章では、わざわざ「死」という項目を設けまして、「ひそかな死への不安が人間のメンタルをむしばんでいることが多いよー」って話をしてるんですよね。
でもって、新たに出た論文(R)も「死の恐怖とメンタルの調子」について調べたもので、まじはシドニー大学による本研究のテーマを引用すると、こんな感じになります。
死の不安は、自尊心、愛着の安定、人生の意味の低下、さらには生活の質の低下など、多くの領域で重要な心理社会的転帰と関連している。
要するに、死の不安が強い人は、常に心配事や不安を抱えてがちであり、そのせいで人生の喜びを深く味わうことができず、つねに脅威や危険にも目を光らせる結果、日々の幸福感が下がってしまうのだ、と。確かに死の不安が強かったら、そんな感じにはなるでしょうな。
そこで研究チームは、「死の恐怖とメンタル」について調べるために、私たちが抱く死の不安レベルをチェックするテストを開発。全18問のテストに答えることで、あなたが密かに感じている死の不安を測定できるようにしてくれたんですよ。
このテストは、18歳〜68歳までの男女約1,000人によって精度を確かめてまして、実際にテストで「死の不安が大きい」と判断された人は、実際にストレス、不安、抑うつなども大きい傾向が確認されたんだそうな。これはなかなか使えるテストなんじゃないでしょうか。
ってことで、細かいところを省いて、まずは研究チームが作った「死の不安テスト」をやってみましょう。
死の不安テスト
以下の4問について、1(強く反対)から5(強く賛成)までの評価してください。
1.死に対して不安を感じる。
2.いつかは死ぬと思うと怖い。
3.死ぬのが怖い。
4.「死」という概念が怖い。
以下の7問について、それぞれの考え方に賛成できるかどうかを、1(まったく賛成しない)から5(強く賛成する)で採点してください。
1. 自分がやりたいことをすべて体験する時間がないのは、とても恐ろしいことだ。
2. 1人で死ぬのはつらい。
3. 私の死は苦痛に満ちた体験になるだろう。
4. 愛する人のいない老後には耐えられない。
5. 愛する人を突然失ったら、自分は壊れてしまうのではないか。
6. 自分が死ぬ直前は、勇気をもって自分の死と向き合えないだろう。
7. 自分の大切な人が死に至る病気になったら、私は何も対処できないだろう。
以下の7つの状況を、どれぐらいの頻度で避けるかを1(まったく避けない)から5(必ず避ける)で採点してください。
1.死ぬことに関するニュースを見たり読んだりする。
2.「自分が終末期の病気だと診断されたら?」と想像する。
3.死にそうな人物が登場する小説を読む。
4.大切な人が亡くなることについて考える。
5.死にそうな人物が登場する映画やテレビ番組を見る。
6.自分が死ぬことを考える。
7.もうすぐ死ぬと診断された人の手記やエッセイを読む。
採点が終わったら、すべての点数を出してみましょう。今回の研究サンプルでは、平均スコアは約53点だったそうで、これよりも高い場合は「死への不安が強いのかも?」と言えるでしょうね。この点数が高すぎると、神経症、不安、抑うつなどに悩みやすくなっちゃうので、そこはお気をつけください。
もしも死の不安が大きすぎるタイプであれば、「認知行動療法実践ガイド」などを参考に「死への不安」を再構築してみるのもよいでしょう。どうぞお試しくださいー。