運動をよくする人の睡眠の質を測る「18問のテスト」を作ったぞ!という研究の話
睡眠は大事!と10年にわたって書いてきた当ブログ。睡眠の質を高める方法についても大量に紹介してきたわけですが、新しいデータ(R)は、
- 運動をよくする人の睡眠の質を測るテストを作ったぞ!
って内容になっててよかったです。というのも、運動をたくさんする人ってのは睡眠の問題を抱えるケースが多く、このブログでも、
なんて話を紹介してきました。特にアスリートは試合のプレッシャーも大きいし、運動量が多くて疲れが溜まっちゃうしで、どうしても睡眠障害が起きやすくなるんですよ。
ってことで、一流にアスリートほど睡眠チェックを欠かさないのが常識なんですが、大がかりな機械を使うとコストがかかるんで、まずは簡単なテストで診断を行うケースが多かったりします。有名なのは、2018年に作られた「アスリートの睡眠行動質問票(ASBQ)ってやつで、わりと世界で使われてきた有名なテストなんですけど、実はいまままで日本語バージョンがなかったんですな。
ってことで、このたび東京女子体育大の塚原先生などのチームが、ASBQの日本後バージョンの作成に着手。もとの言語を日本語に変えた上で、その精度を検証してくれたんですよ。
具体的には、和訳を専門家の手で何度もチェックした上で、女性アスリート42人にパイロット研究を行い、それで出てきた問題を修正しつつ仕上げていったとのこと。完成した質問表は、437人のアスリートを対象に正さを調べ、十分な再現性が確認されております。つまり、このテストを使えば、ある程度まで自分が良い睡眠を取れているかがわかるわけっすね。ありがたい……。
日本版ASBQは18問で、過去1カ月の記憶を呼び起こしつつ、以下の質問を5点満点で採点していきます。アスリートでなくとも、このブロブの読者さんはハードな運動好きが多いでしょうから、試しにやってみると良いかもしれません。
- 全くない 1点
- まれにある 2点
- 時々ある 3点
- 頻繁にある 4点
- いつも 5点
ここ最近(過去一ヶ月の間)で……
- 午後に2時間以上の昼寝をする
- 練習や試合前になると興奮剤を使用する(カフェインなど)
- 午後7時以降に練習または試合をする
- 寝る4時間以内にアルコールを摂取する
- 毎晩違う時間に寝る(1時間以上異なる)
- 喉が渇いている状態で寝つく
- 筋肉痛がある状態で寝つく
- 寝る1時間前以内に電気を発する機械を使用する(パソコン、電話、テレビ、ビデオゲームなど)
- ベッドに入っても自分の競技パフォーマンスに関して考えたり、計画したり、心配になる
- ベッドに入っても自分の競技以外のことに関して考えたり、計画したり、心配になる
- よく寝られるように睡眠薬・睡眠剤をのむ
- 一晩で一回より多くトイレに行く
- 自分のいびきにより、自分や一緒に寝ているパートナーを起こす
- 自分のけいれんにより、自分や一緒に寝ているパートナーを起こす
- 毎朝起きる時間が異なる(1時間以上異なる)
- 自宅で理想とはいえない環境で寝る(明るすぎる、うるさすぎる、ベッド・枕が良くない、暑すぎる・寒すぎる)
- 外泊する(ホテルなど)
- 移動が睡眠と起床のルーティンに影響を与える
で、採点が終わったら、すべての点数を合計してみましょう。スコアによって、以下のように判断を行います。
- 合計スコアが42点を超えたら、睡眠に大きな問題があるかも!
- 合計スコアが37~42点だったら、睡眠に中程度の問題があるかも!
ちなみに、この研究では、テスとのチェックに参加した人たちの37.8%はスコアが36点以下で、睡眠には問題がなかったそうな。逆に、全体の19.8%は42点以上だったらしく、5人に1人は睡眠に問題が起きているっぽいですね。
さらに余談ですが、「別に普段そんな運動しないから、もっと一般向けのやつはないの?」と思った時は、 「ピッツバーグ睡眠質問票」をお使いください。日本をふくむ世界中で昔から使われてきたド定番のテストなんで、こまったときはこちらを使うと、ある程度まで自分の問題が把握できるはずであります。どうぞよしなにー。