今週の小ネタ:ショウガで体重が減る?筋トレがはかどりまくるサプリとは?シナモンで食欲がコントロールできる?
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
ショウガで体重が減る?
ショウガと言えば、数ある食材のなかでもトップクラス。抗炎症作用がかなり強いもんで、私も定期的に摂取しているほか、ブロマガなどでもおすすめサプリを取り上げております。
その効果としては、アンチエイジング効果、消化不良の改善などがありますが、近ごろよく言われるようになったのが「体重が減るんじゃない?」って考え方です。ショウガってのは脂肪燃焼を促進し、消化管での脂肪吸収を抑制し、食欲を減退させる可能性があるかもしれないと考えられてるんですな。
でもって、新しいデータ(R)も「ショウガのダイエット効果」を 掘り下げたメタ分析になっていて参考になりました。
これは27件の先行研究をまとめたメタ分析で、計1,309人の男女(平均24~58歳)のデータを調べたもの。そのうち23試験がイランで、カナダ、韓国、エジプト、インドで残り1試験ずつが実施されております。
また、ショウガの摂取法としては、
- ショウガ根粉末(24試験)
- ショウガエキス(3試験)
- 1日の投与量は600mgから3000mg
- 介入期間は4~12週間
って感じになってます。ショウガを飲まなかったグループには、アシュワガンダ、桑粉、シナモンなどが使われ、すべての試験でプラセボが用意されております。まぁデータの総量は少なめだし、各試験のデザインのばらつきも大きいのがアレですが、いくばくかの参考にはなるでしょう。
でもって、分析の結果が どうだったのかをざっくりとまとめてみると、
- ショウガの摂取は、
- 体重を1.52kg減らした(証拠レベルは低い)
- BMIを0.58減らした(証拠レベルはめっちゃ低い)
- ウエストサイズを1.04cm減らした(証拠レベルはめっちゃ低い)
- 体脂肪率を0.87%減らした(証拠レベルは低い)
みたいになります。いずれの結果も、エビデンスのレベルとしては低いので、これをもって「 ダイエットにはショウガだ!」とは言いづらいのですが、 今後の調査次第では、推奨サプリになり得るかもしれません。
ちなみに、用量反応分析によると、1日2グラムを12週間摂取した場合に、ショウガによる体重減少が最も大きくなった そうなので、試してみたい方はこれぐらいの量を参考にしてください。
筋トレがはかどりまくるサプリとは?
このブログでは、定期的に運動のパフォーマンスアップに効果があるサプリを取り上げているわけです。この点については、今のところクレアチンとカフェインがベストだって結論なんですが、 それ以外にも色々と候補はありまして、 まだまだ研究が進んでいるわけです。
そんな中、新しい研究(R) では、「 筋トレの前に飲むとパフォーマンスが上がるサプリは無いか?」 てところを調べてくれていて有用でした。
こちらは20名の筋トレ好きを 対象にした試験で、参加者の平均年齢は20歳で、男女10名ずつだったとのこと。どのような研究だったのかと言いますと、
- 参加者には上半身の筋トレを2回行うように指示。
- 筋トレの60分前にプレワークアウトサプリメントかプラセボを摂取してもらう。
-
1週間のウォッシュアウト期間をはさみ、 同じ手順を繰り返す。
というクロスオーバー研究になっております。 ここで使われたプレワークアウトサプリメントの内容を並べておくと、
- シトルリン8グラム
- クレアチンモノハイドレート5グラム
- タウリン3グラム
- ベータアラニン2.5グラム
- ベタイン2.5グラム
- ビーツエキス1グラム
- カフェイン300ミリグラム
- アルファGPC300ミリグラム
- ロディオラ・ロゼア150ミリグラム
って感じでして、 クレアチンやカフェインだけでなく、 過去の研究で効果があると言われてきた成分が片っ端から含まれていますね。私が見るところ、アルファGPC以外はそれなりに定評がある成分なので、わりと納得のラインナップでありました。
この上で、みんなの筋トレパフォーマンスを計測したところ、
- プラセボと比較して、
- ピークパワーが改善(695ワット vs. 615ワット)
- ベンチプレスの反復回数が増加(40回 vs. 37回)
- ベントオーバーローの反復回数が増加(57回 vs. 52回)
- ベンチプレス中に感じる辛さが減った
- 筋トレ全体に感じる辛さも減った
って違いが出たんだそうな。これだけ定評がある成分を全部入れると、さすがにパフォーマンスは上がるみたいですね。私はクレアチンとカフェインがメインで、たまにシトルリン、ビーツ、ロディオラを使ってるぐらいですが、「筋トレのパフォーマンスを限界まで上げたい!」みたいな人は、今回のデータを参考にしてみるのも良いかもっすね。
ちなみに、この研究者の一人は、実験で使われたプレワークアウトサプリメントを製造している会社の責任者だったりしますが、このへんが結果に作用してるかは謎。
シナモンで食欲がコントロールできる?
最後に「シナモンで食欲をコントロールできるかも?」という研究(R)のお話です。シナモンは抗酸化能力の高さで知られるスパイスで、炎症による痛みやAGEsの生成を食い止める働きがあるかもと考えられております。その実力はまだよくわかりませんが、シナモンがアンチエイジングに効きそうな感じはあるんですよ。
でもって、近年よく言われるのが、「シナモンってダイエットにも役立つんじゃない?」みたいな考え方です。シナモンは、アディポカイン(脂肪細胞から産生されるホルモン)や食欲をコントロールするホルモンに影響を与える可能性がありまして、「お菓子を食べたい!」みたいな欲求を下げてくれるんじゃないか………と言われてるんですな。
ということで、この研究では、健康な男女や肥満の成人を含む合計363人のデータを分析。シナモンに関する6件のRCTをメタ分析したうえで、「シナモンが食欲系のホルモンに影響するか?」って疑問を掘り下げてくれたんですよ。
具体的には、アディポネクチン(3研究)、グレリン(2研究)、レジスチン(2研究)、グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)(1研究)、レプチン(1研究)、ビスファチン(1研究)循環レベルを調べてますが、まぁこのあたりは覚えなくても良いでしょう。
さて、結論は以下のとおりです。
- 一方で、アディポネクチン、レジスチン、GLP-1のレベルは変化しなかった。
ってことで、どうやらシナモンは一部の食欲系ホルモンの量に影響するみたいですね。「グレリン」と「レプチン」ってのは食欲に関わる2大ホルモンなので、わりと期待が持てる結果じゃないでしょうか。
まぁこの研究は、あくまで食欲系ホルモンの変化を調べただけなんで、まだシナモンで体重が減るのかはわからんのですが、食欲が激しい人は試してみてもいいかもですな。