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ベータアラニンで運動の疲れが取れまくる!はどこまで本当なのか?

 

ベータアラニンで運動の疲れが取れる?

筋トレに役立つサプリのひとつといえばべータアラニン。アミノ酸の一種でして、筋トレの疲労回復効果については、昔からそこそこ定評があるナイスな成分であります。


ベータアラニンが効くと考えられるのは、おもに筋肉の疲労対策とパフォーマンスの改善。筋トレの際に出る乳酸を減らして、パフォーマンスの低下を防ぐと言われてるんですな。

もっとも、ベータアラニンの効果には賛否ありまして、「効果がない!」なんて結果が出ることもしばしば。サプリ研究ではよくあることですけど、ちょっと判断が難しいところもあったんですよね。


そんな状況下、ベータアラニンに関する精度が高いデータ(1)が出まして、久々にウホウホしております。

 

負荷が高い運動にはベータアラニンが効くかも

これはブラジルのリオグランデ・ド・スル大学による研究で、過去に行われたベータアラニンの実験から信頼性が高い23件をまとめたメタ分析。参加者はアスリートか筋トレ好きの成人がメインで、だいたい1日1.5〜6.7gのベータアラニンの効果をチェックしております(平均は1日4.8gぐらい)。そこそこ実験の質にばらつきはあるんですけど、いまのところ最も信頼できるデータじゃないでしょうか。


では、いきなり結論からまとめちゃうと、

 

  • ベータアラニンが筋肉の疲れに効く!というデータはある(ただしデータ数はかなり少ない)
  • ただし、一般的な疲労感についてはベータアラニンが効く証拠はまったくない
  • 確定じゃないものの、負荷が高い運動(HITみたいな筋トレとかHIITとか)ならベータアラニンは意味がある……かも
  • 普通のツラさの運動だとベータアラニンを飲んでも無意味かも


みたいな感じ。いやー、これは判断が難しい結果が出ましたね。

 

ハードな運動のおともに使うのはアリ

個人的な感想を言いますと、「うーん、思ったよりパッとしない結果だなぁ……」みたいな印象でしょうか。ハードなエクササイズをする人なら使う価値があるのかもですが、それ以外の人には、特にオススメできない感じ。


まぁ、いつも食べてるお肉の種類とか量によってもベータアラニンの効果は変わるので(グリシンやタウリンがベータアラニンと競合する)、判断が難しいところではありません。この実験では、普段の食事の差をちゃんとチェックしてないので、決定的なことが言えないんですよね。


ちなみに、2012年に行われた別のメタ分析(2)でも、「1日4〜6gのベータアラニンはハードなエクササイズの疲れに効く!」って結論ですんで、このへんについては信頼してもよさげ。負荷が高いトレーニングをする際のお供に用意しておくと、効率が上がっていいかもしれませんな。筋トレのときに使ってみようかな……。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。