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「感情的知性を10問でチェックできるテストがあるよー」ってデータの話


 

感情的知性を10問でチェックできるテストがあるよー」ってデータ(R)があるので、内容を見ておきましょう。

 

感情的知性は俗にEQと呼ばれる能力で、自分や他人の感情を理解し、コントロールし、効果的にコミュニケーションを取るスキルのこと。自分自身の感情を知覚、理解、管理、表現するだけでなく、他人の感情に影響を与えたり、反応したりする能力を指しております。

 

たとえば、同僚が重大なミスを犯して、あなたのプロジェクトに影響を及ぼしたとしましょう。ここでEQが低い人は怒って暴れたり、同僚に嫌みを言ったりするんですが、EQが高い人は感情をコントロールし、効果的にコミュニケーションをとり、解決に向けて努力するわけです。

 

そのため、感情的知性が高い人は、自分の感情をうまく管理し、ストレスを軽減したり、他人と良好な関係を築いたりするのが得意で、学校や職場でのパフォーマンスも向上するとされております。まぁ現時点では、EQの有効性にはまだ議論があったりするんですが、この能力が大事なのは間違いないでしょうな。

 

では、EQをどうやって計測するかってことで、感情的知能の研究で有名なルーヴェン・バーオン博士が開発したのが「感情指数目録(EQ-i)」ってテストです。EQ-iは感情的知能と社会的知能を評価するためのツールで、たった10問でEQを把握できるのがナイスであります。このテストで自分のEQを把握しておけば、感情のリテラシーを向上させるための最初の一歩になるでしょう。

 

ってことで、自分の感情的知性を調べるために、以下の10問について考えてみてください。それぞれの文章に「完全に当てはまる!」と思ったら5点で、「まったく当てはまらない」と思うなら1点です。

 

  1. 私が自信を持って行動できるのは、関連する専門知識や経験があるときだ。

  2. 私は承認や支持なしに決断を下す。

  3. 自分の能力の限界に近づいたときに評価できる。

  4. 仕事を引き受けるのが不安なときは、他の人と分かち合っている。

  5. 私は自分自身にどれだけのプレッシャーを与えているかを管理している。

  6. プレッシャーを感じ始めたら、それを察知する。

  7. 私は、出来事が私に与えたかもしれない感情的な影響についてオープンにしている。

  8. 私は、自分の感情が判断に影響を及ぼしている可能性があることを認識している。

  9. 私は出来事に対する自分の反応を正確に予測できる。

  10. 自分の振る舞いが理不尽だったかもしれないことは認める。

 

点数をつけたら、すべての合計点を10で割って平均点を出してくださいませ。「この点数より上だとEQが高い!」みたいな基準はないものの、だいたい3.5よりも上であれば「まぁ良いかな……」ぐらいにお考えください。

 

ちなみに、このテストが評価している能力は、だいたい以下のようになります。テストの点数が低かった人は、このリストを見つつ「自分に足りないものはなんだろう?」と考えてみるのもありでしょうね。

 

 

EQ-i が評価している能力
能力 説明
自己認識力  
自尊心 自己を正確に認識し、理解し、受け入れる。
情緒的自己認識 自己の感情を認識し、理解する。
自己主張 自己の感情や自己を効果的かつ建設的に表現する。
独立性 自立し、他者への情緒的依存を減らす。
自己実現 個人的な目標を達成し、自己の潜在能力を実現する。
対人能力  
共感 他人の感情を認識し、理解する。
社会的責任 自分の社会集団と協力し、一体感を持つ。
対人関係 満足のいく関係を築き、他者と良好な関係を維持する。
ストレス管理 情緒的管理と調整:
ストレス耐性 感情を効果的かつ建設的に管理する。
衝動制御 感情を効果的かつ建設的に制御する。
適応力  
現実検討 自己の感情や思考を客観的に検証する。
柔軟性 自己の感情や思考を新しい状況に適応させる。
問題解決 個人的および対人的な問題を効果的に解決する。
気分管理力  
楽観主義 前向きに考え、明るい面を見る。
幸福感 自己、他者、そして人生全般に満足感を持つ。

 

さらに余談ですが、テストの点数が低かった方は、以下のトレーニング法を考えてみてくださいませ。いまのところ、EQは努力で伸ばせるって報告は多いので、地道にトレーニングすれば、能力を向上できるはずですんで。

 

  • 最強のコミュ力のつくりか:手前味噌ですが、拙著「最強のコミュ力のつくりかた」の第2章や第3章で紹介したトレーニングは、EQを鍛えるのにも使えるはず。本書のトレーニングは、個人の共感力を鍛えたり、感情のコントロール能力を鍛えるために設計されてるんで、EQ改善にも向いているはずなんですよ。

 

  • 毎日の感情日記:毎日数分間、自分が味わったエモーショナルな体験を記録するのも良いでしょう。感情日記を書くときは、その体験をしたときに何が起こり、どう感じ、どう反応したかを記録すればOKであります。

    例「今日、学校で友達と口げんかをした。友人と将来について話をしていたところ、彼は大学に行くのが最善だと言ってきたのに、私は職業訓練学校に行く方が良いという立場。彼が私の意見を全く受け入れてくれなかったのでイライラして、彼に冷たく接してしまった。」

 

  • マインドフルネス瞑想毎度おなじみマインドフルネス瞑想も、EQの発達に効果的だと考えられております。自分の考えや感情を判断せずに観察することに集中することで、自分の感情の状態に敏感になれると言われてるんですな。

 

ってことで、自分のEQに自信がない方は、今回のテストで定期的にセルフチェックしつつ、トレーニングを積んでいけば良いのではないでしょうか。どうぞよしなにー。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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