甘い飲み物が薄毛の原因?男性型脱毛のリスクが3倍になる理由とは?
「甘い飲み物でハゲになる?」みたいな研究(R)が出ておりました。
これは中国で行われた調査で、その内容はめっちゃシンプル。1000人以上の男性を調べたところ、週に7回以上甘いソフトドリンクを飲む人は、飲まない人に比べて男性型脱毛になる可能性が3倍高かったというんですね。
つまり、エナジードリンク、砂糖入りのジュース、甘いミルク、甘い紅茶やコーヒー、ソーダなど、甘いソフトドリンクを1日に1本以上飲む男性は、甘い飲み物を完全に控えている男性よりも抜け毛の量がはるかに多かったってことですな。
研究チームいわく、
この研究は、甘い飲み物を多量に飲むことで男性型脱毛のリスクが上がる可能性を示している。
このデータからは、1日に1杯以上の甘い飲み物を飲むと、男性型脱毛のリスクが高まる可能性があると言える。
とのこと。あくまで横断研究だし、まだ初期の証拠でしかないので、今後の展開によっては結論が変わるかもしれませんが、甘いものが好きな方はビビっちゃうニュースですね。
甘い飲み物で抜け毛が増えるメカニズムはまだ不明ですが、多くの専門家は「主な原因は砂糖じゃないかなぁ……」と推測しておられます。砂糖を過剰に摂取すると、インスリン抵抗性やホルモンバランスの乱れなど、いろいろな健康問題を引き起こすので、それによって頭皮に炎症が起き、毛髪が抜けてしまうのではないかって考え方です。
砂糖と抜け毛の関係には、傍証がいくつかありまして、
- 甘い物を取りすぎると体内で炎症が増加し、毛髪の成長サイクルを乱し、毛包を早期に休止期に移行させ、抜け毛を増加させる可能性がある(R)。
- インスリン抵抗性は、ホルモンバランスの乱れを引き起こす(アンドロゲンの上昇とか)。 アンドロゲンは毛包を収縮させて、髪の成長サイクルを短くする傾向があるため、甘いものを取りすぎると薄毛や抜け毛が起きるっぽい(R)。
- 血糖値が急上昇すると、ポリオール経路が活性化する。この経路は、グルコースを使って毛包にダメージを与え、毛包の機能を長期にわたって低下させる可能性がある(R)。
といったメカニズムが、抜け毛に影響しそうだよなー、と考えられてたりします。そう考えると、酸化した油(めっちゃ炎症を起こしやすい)も抜け毛の原因になるでしょうから、ドーナツとかは大分ヤバそうな気がしますな。
この研究だと、具体的にどれぐらいの砂糖を摂っちゃダメなのかまではわからないんですけど、めちゃざっくりしたガイドラインとしては、
- 一般的に、1日の砂糖の摂取量を総カロリーの10%以下に抑えることを目標にするのがよさげ(R)。 これは、1日あたり約50グラム(小さじ12〜13杯ぐらい)の加糖を意味する。
といったあたりを参考にするのが良さそうです。一例を挙げると、
- 普通のエナジードリンク:250mL缶に30gぐらいの加糖
- 一般的な炭酸ドリンク: 500mLに40gぐらいの加糖
- 一般的なスポーツドリンク:600mLボトルに35gぐらいの加糖
- 一般的な甘い紅茶ドリンク500mLに20gぐらいの加糖
って感じなので、どんなソフトドリンクでも一本飲んじゃったら、その日は他の食事ができなくなっちゃいますな。まぁ砂糖の許容量には結構な個人差があるので、大量に飲んでも問題が出ない人もいるでしょうが、基本的には砂糖を加えたソフトドリンクは食事から完全にカットし、水や無糖の紅茶のような、無糖の飲み物にこだわったほうがムダにハゲなくてすむかもしれません。
ちなみに、逆に「ムダに髪を抜けさせずに済む食事とは?」ってのが気になりますが、これは「健康的な食事なら基本的には髪にも良い」と考えていただいて構いません。なかでも参考になるものとしては、
などのエントリが参考になるでしょう。具体的に炎症対策に効きそうな栄養素としては、
- 鉄分
- 亜鉛
- ビオチン
- ビタミンC
- ビタミンD
- ビタミンA
- ビタミンE
- オメガ3脂肪酸
- タンパク質
といった栄養素を多く含む食事であれば、髪の毛には良いはずであります(R)。しかし、今回のデータを見るにつけ、健康的な食品を増やすよりは、不健康な食品を減らすほうに重点を置くほうが育毛に良いのだろうなぁ……って印象なので、無闇に加糖と悪い油を摂取しない食生活を心がけていただければと思う次第です。