目覚ましの音で起きている時点で、あなたの睡眠は足りていない
かつては極度の宵っ張りで、完全に昼夜が逆転していたわたくし。しかし、パレオダイエットを始めてからは睡眠の質を第一に考えるようになりまして、いまはできるだけ夜の11〜0時までには床につくようにしております。
起きると決めた時間の5〜10分前には自然と目が覚める
すると、ちょっと面白いことに、規則正しい睡眠を続けるうちに、アラームがいらなくなってきたんですね。これまでは目覚ましが鳴ったらスヌーズボタンを押して、布団のなかでダラダラし続けるのが普通だったんですが、いまは起きると決めた時間の5〜10分前には自然と目が覚めちゃう。起きた直後のまどろんだ感覚もゼロ。まことにありがたいことであります。
で、その理由を調べていて見つけたのが1999年の論文(1)。独リューベック大学の実験で、15人の被験者を2つのグループにわけて研究室で寝るように指示し、一方には「朝の6時に起こします」と伝え、もう一方には「朝の9時に起こします」と伝えたわけです。
ところが、翌日、研究者は全員を6時に起こしたんですね。すると、「6時に起こす」と言われていたグループは、4時半ごろから脳のストレスホルモンが増え始めまして、自然と体が起床の準備をスタート。一方で「9時に起こす」と言われたグループは、ストレスホルモンの分泌が見られず、起きてしばらくはフラフラだったとか。体に備わっている目覚まし機能は、実はかなり優秀みたいですね。
体は起きたい時間に起きられるようにできている
こういった現象が起きるのは、脳が作り出すPERってタンパク質が原因らしい(2)。PERは夜になると分泌量が減りまして、全身の血圧や心拍数を下げて眠りやすくしてくれるんですな。
規則正しい睡眠を続けていると、体が起床のタイミングを学びまして、目を覚ましたい1時間前ぐらいにPERを増やすように働きかけてくれるわけですね。つまり、本来は、体は起きたい時間に起きられるようにできているので、アラームがないと目が覚めない時点で、すでに体内時計は狂い始めているんだ、と。
ちなみに、PERの分泌量は、週末に夜ふかししただけでもおかしくなっちゃうそうで、とにかく一週間をとおして決まった時間に眠るのが超大事。これさえ守れば、やがて目覚ましがなくても、快適に起きられるようになるはずであります。
credit: Pablo Lorenzo Barreto via FindCC