パレオダイエットで自然に食欲が減る3つの理由
パレオダイエットと食欲に関するご質問をいただきました。要点を抜粋しますと、
こちらのブログを参考にパレオダイエットを進めています。炭水化物を減らしてたんぱく質と脂肪の量を増やしたら、これまでよりも満腹になりやすくなったようです。これまでは食べ終わっても物足りないぐらいだったのですが、いまでは少し食事を残しています。そこで質問なのですが、パレオダイエットには食欲を減らす効果があるのでしょうか?または、そういった研究があったりしますか?
とのこと。パレオダイエットでバッチリ食欲が減ったようで、まことに慶賀のいたりであります。
満腹まで食べてるのに摂取カロリーが減る
パレオダイエットで食欲が減るのはよく聞く話でして、わたしも炭水化物を減らしてタンパク質を増やす食生活に切り替えてから、以前のような食べても食べても空腹に襲われる状態は完全に脱しております。
具体的な例としては2007年の論文(1)がありまして、パレオダイエットと地中海式ダイエットの効果を12週間にわたって比較したんですね。すると、特に摂取カロリーは指定しなかったにも関わらず、パレオダイエットを実践したグループだけ、1日の食事量が1,388kcalにまで下がったんですね。対して地中海式ダイエットのグループは1日に1,823kcalを食べていたそうで、実に24%も摂取カロリーが違っております。
また、この実験では食事の満足度についても調べたんですが、おもしろいことに、どちらのダイエットでも満腹感は変わらなかったんですね。つまり、パレオダイエットは、ちゃんと満腹になるまで食べているのに、気づかないうちに総摂取カロリーが減るんだ、と。素晴らしいですねぇ。
パレオダイエットで自然に食欲が減る3つの理由
こういった現象が起きる理由について論文には書いてないんですけども、個人的には以下の3つが原因だと考えております。
- タンパク質の摂取量が増える:タンパク質は炭水化物よりも消化が遅いのと、ドーパミンの分泌を調整する作用があるせいで、ほかの栄養素よりも満腹感が高くなるんですね。これは、過去にもいくつかの研究(2)で証明されてまして、タンパク質の量を増やすことで肥満の予防になると言われております。
- 代謝にダメージを与える食事が減る:パレオダイエットは、小麦・砂糖・オメガ6脂肪酸といった食品を徹底的に排除します。これらの食品は、ホルモンのバランスを崩して空腹感を異常に増やす働きがありまして、代わりに白米やココナッツオイルに切り替えるだけでも、相当に食欲は減っていくはず。
- ホルモンバランスが正常になる:これは、上の「代謝にダメージを与える食事が減る」とも関連する話ですが、パレオダイエットにはホルモンバランスを正常化する働きがありまして、脳の体重センサー(セットポイント)を調整してくれるんですね。その結果、食欲を調整するホルモン(レプチン)がちゃんと働くようになりまして、自然と食欲が減っていきます。
まとめ
そんなわけで、パレオダイエットで食欲が減る3つの理由でした。あくまで気づかぬうちに摂取カロリーが減っていくんで、激しいカロリー制限にくらべると序盤のダイエット効果は低いんですが、代わりにリバウンドしにくいのがありがたいところ。なによりも空腹感に苦しまずに自然に痩せられるんで、わたしのように意志力が弱い人ほどオススメです(笑)
credit: malik ml williams via FindCC