ベジタリアンで鬱の発症リスクがあがる……かも、という話
ベジタリアンで鬱の発症リスクがあがる?
「ベジタリアンって体にいいの?」って問題については、まだ賛否両論がある昨今。新たに出た論文(1)では、「ベジタリアンで鬱の発症リスクが激しくアップ!」って結論になっててビビりました。
これはブリストル大学の研究で、イギリスの男性9,668人が対象。まずは全員に食生活のアンケートを行ってガチのベジタリアンを選り分けたんですな。
その結果、見つかったベジタリアンの数は全員で350人。続いて彼らのメンタルを調べて、普通に肉を食べる人と結果をくらべたんですな。
ベジタリアンは鬱の発症リスクが高かった
それでどんな傾向が出たかと言いますと、
- ベジタリアンは、肉を食べる人にくらべて鬱の発症リスクが74%アップ!
って感じだったそうな。この傾向は、喫煙・体重・職業といった要素をコントロールしても残ったそうで、なかなかおもしろいもんです、
ベジタリアンに足りない栄養素とは?
研究者いわく、
(鬱の発症リスクが高まる)要因の可能性としては、野菜や大豆にふくまれる植物性エストロゲンがあげられるだろう。
その他の要因としては、魚介類の摂取量が減ることにより、鬱症状のリスクが高まるのだと思われる。
とのこと。植物性エストロゲンの過剰とオメガ3脂肪酸の不足を、おもな原因と考えているわけですね。
また、このほかにも考えられる原因としては、
- 肉にふくまれるビタミンB12が足りない
- ナッツの摂取量が増えるせいでオメガ6脂肪酸が多い
- 野菜が多いせいで農薬の摂取量が多いから?
ってあたりが言われておりました。いずれも当ブログであつかってきた話でして、可能性としてはあるかなーぐらいの話。
もちろんベジタリアンが悪いと決まったわけではない
ただし、これは横断研究なんで、当然ながら「逆の相関関係も否定できない」と研究者も釘を刺しております。要するに、ベジタリアンだから鬱になるんじゃなくて、鬱になった人が「肉を減らせば治るのでは……」と考えて菜食になっていくケースも考えられるよーって話です。
ってことで研究者いわく、
全体の人口の何割かにとっては、ベジタリアンは健康、信仰、倫理的な理由で選ばれたわけではない可能性がある。その人たちにとっては、ベジタリアンは食習慣の乱れや鬱症状の指標になるかもしれない。
とのこと。まだまだよくわからんけど、ベジタリアンで病む可能性もあるから気をつけようねーぐらいのスタンスですね。
また、これは350人規模の小さな研究ですし、男性しか対象にしてないんで、ハッキリした結論を出すのは難しいところ。とりあえず、現時点でベジタリアンを実践されている方は、
- ビタミンB12不足に注意
- ビタミンB6不足にも注意
- 葉酸もちゃんと摂るべし
ってあたりを心がけていただくのが無難かと思われます。どうぞよしなに。