「サプリメントは飲んでもムダ!」は本当か?
https://yuchrszk.blogspot.com/2013/12/blog-post_25.html?m=0
ちょっと前に「サプリメントは効果なし!」と断定する記事が出たんですよ。
「サプリメントは効果なし」米医学誌がバッサリ
サプリメントの健康効果に関する議論は終わった?
研究は米ジョンズ・ホプキンス大によるもので、論文のタイトルが「もういいかげんにしろ:ビタミンとミネラルのサプリで金をムダにするな」。かなり過激であります。新たに発表された3つの研究結果をまとめたもので、心臓血管疾患やガン、認知症や言語記憶、心筋梗塞、いずれに対してもビタミンやミネラルなどのサプリメントは効果がなかったとし、過去の研究から、ベータカロチンが肺がんリスクを高める可能性や、ビタミンEや高容量のビタミンAの摂取が死亡率を高める可能性などが明らかになっているため、安易な摂取は避けるべきとしています。唯一ビタミンDに関してはさらなる調査が必要としていますが、サプリメントの健康効果に関する議論は終わったと結論付けています。
参考:Enough Is Enough: Stop Wasting Money on Vitamin and Mineral Supplements
「サプリメントの健康効果に関する議論は終わった!」って凄い断定ですが、実際の論文を読んでみると、これが結構ヘンな話なんですな。
医者に関するデータだけ調べてどうするの?
まず前提として、この論文は「医師の健康調査2」という研究がベースになっております。これはアメリカに住む15,000人の医者を対象に、彼らの健康状態を調べたデータベースでして、つまり、もともと健康に関する知識が豊富な人たちに関する統計しか取ってないんですな。例えるなら、イケメンだけにインタビューして「クリスマスは恋人と過ごす人が多いと判明!」みたいな結論を出すようなもんです。言わずもがな、サプリメントは足りない栄養素を補うのが目的ですから、栄養が十分に足りている医者だけを調べても無意味。普通の食生活をしている一般層への効果を調べてくれないと、とても「議論は終わった!」とは言えないでしょう。
そもそもサプリに抗がん作用なんて求めてなくね?
あと、「心臓血管疾患やガン、認知症や言語記憶、心筋梗塞、いずれに対してもビタミンやミネラルなどのサプリメントは効果がなかった」ってのも謎。サプリメントを飲むのは、必要な栄養素が足りなくなったときの不調を防ぎたいからで、別にガンや認知症を治そうとまでは思ってないんですけどねぇ。確かに、ビタミンEやビタミンAのとり過ぎが良くないは事実ですが、一方でビタミンDやマグネシウム不足が深刻な健康被害をもたらすって実証研究も多いので、ここから「サプリメントが金のムダ」って結論に向かうのは行き過ぎ。
ちなみに、この研究と同じように「医師の健康調査2」を使ってるのに、「サプリメントはガンに効く!」ってな真逆の結論を出した論文もありまして、そのあたりの食い違いも詰めて欲しいところです。
参考:Multivitamins in the Prevention of Cancer in Men
まとめ
そんなわけで、この研究から断言できるのは「栄養が足りてればサプリメントはいらないよ」ぐらいの超当たり前な話で、とても「健康効果に関する議論は終わった!」という結論にはならないと思われます。特に最近の野菜は栄養価が低いって話もありますし、私はやっぱサプリメントを飲み続けていく所存です。
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