プロテインを飲み過ぎてないかどうかは自分の体に聞くのが一番!
https://yuchrszk.blogspot.com/2015/09/blog-post_19.html?m=0
よく「プロテインは腎臓に悪い!」なんて話を見かけます。腎臓病の患者さんには低タンパク質の食事をすすめられるケースが多く、「プロテイン=腎臓に悪影響」の根拠になってるんですね。そのせいで、プロテインを遠ざける人も少なくないとか。
実際、高タンパク食をとると、GFRの数値が上がることがわかっております(5)。GFRは腎臓の機能をあらわす数値で、こいつが高いほど腎臓が頑張って働いてる証拠になるんですね。
ただし、このデータの解釈は難しいところで、「高タンパク食は腎臓をオーバーワークにするからダメだ!」とも言えるし、逆に「腎臓がちゃんと自分の仕事をしてるだけだ!」とも言えちゃうわけです。困ったもんですねぇ。
そこで参考になるのが2005年のレビュー論文(2)でして、過去に出たプロテインと安全に関するデータをまとめてくれてるんですね。
長いのでざっくり結論だけ抜き出しますと、
- GFRの数値の上昇は腎臓へのダメージとはまず関係ない
- なぜなら妊婦もGFRが激しくあがるが、腎臓への悪影響は起きないから
- さらに、片方の腎臓を寄付した人もGFRが激しくあがるが、20年後の経過観察では何の問題も見られない
といったところ。大量のデータをチェックしたうえで、健常者であれば高タンパク食と腎臓病には関係がないと結論づけております。「『炭水化物で頭が悪くなる!』は本当か?」で書いたように、糖質制限が脳の病気に効くからといって、「糖質で頭が悪くなる」って話にはならないのと同じですね。
また、2012年の論文(3)によれば、そもそもヒトの体には適切なタンパク質の上限を計るメカニズムが備わってるんだとか。プロテインで酵素が活性して、脳に「もうタンパク質は十分です!」って連絡がいくらしい。すごいですねぇ。
そんなわけで、もともと腎臓病でない方はプロテインにおびえる必要はなし。自分の体の反応をちゃんと見てれば、自然と適切なタンパク質量に落ち着くはずであります。