テストステロンの減少で筋肉も減らさないための食事ガイドライン
筋肉の発達に必要なホルモンといえばテストステロン。こいつが足りなくなると、
- 糖尿病や心疾患のリスクが高まる
- 活力が衰える
- うつ病にかかりやすくなる
- 慢性疲労が起きる
- 体脂肪が増えやすくなる
といった悪影響がありまして、日々の幸福度を決める要素のひとつでもあります。男性はもちろん女性にとっても欠かせないホルモンですね。
が、最近の研究によれば(1)、20年前にくらべて現代人のテストステロン量は25%も減ってるとか。その原因はハッキリしないものの、もっとも大きいのは食事の影響だと言われております。というわけで、ムダにテストステロンを減らさないための食事ガイドラインを見てみましょう。
1 ちゃんと飽和脂肪酸をとる
飽和脂肪酸は、牛肉・豚肉・鶏肉に豊富な脂肪。かつては「健康のためには飽和脂肪酸を減らそう!」とか言われたもんですが、ここ数年で完全に旗色が変わりまして、逆にしっかりと脂肪をとる食事が主流になりつつあります。
ホルモンはコレステロールから作られるんで、テストステロンの分泌にも飽和脂肪酸は必須。1995年の実験(2)によれば、低脂肪食を続けたアスリートはテストステロンのレベルが低く、逆に飽和脂肪酸をとったら数値は改善したとか。
パレオダイエットをやってれば特に脂質量で問題は出ないでしょうが、心配な方は「健康に良いベストな油・脂肪」を参考に、1日小さじ1杯のココナッツオイルやギーなどを飲んでみるのも良いかと思います。
2 寝る前は砂糖をひかえる
テストステロンは睡眠中に分泌されるので、できるだけ眠りの質を高めるのが重要。ところが、寝る前に大量の糖質をとるとインスリンの大量分泌によってメラトニン(睡眠ホルモン)の生成がジャマされちゃうんですね。
ただし、いっぽうで糖質はセロトニン(気持ちを休めるホルモン)の原料にもなるんで、完全に制限してしまうのも良くなかったり。ベリー系ぐらいの糖質であれば寝る前も問題はないので、適度な糖質もとっておきましょう。
テストステロンを最適化するための睡眠時間には個人差がありますが、最低でも7時間は眠りたいところ。最適な睡眠時間の判断法については、「自分にとってベストな睡眠時間はどうやって把握すればいいのか?」などをどうぞ。
3 間食を減らす
インスリンにはアンドロステンジオンというホルモンを分泌させる働きがあります(3)。こいつは体内でテストステロンの分泌量と競合しますので、インスリンが増えると必然的にテストステロンは下がることになるんですね。糖尿病や肥満の方のテストステロンレベルが低いのも、これが大きな原因のひとつだったりします。
というと「炭水化物を減らせばいいんじゃない?」と思われがちなんですが、以前にも書いたとおりタンパク質でも脂質でもインスリンは出ますんで、とにかくダラダラと食べ続けないのが大事。プチ断食かモノマネ断食を導入して、体内のインスリンレベルを下げる時間を作るのがよさげです。
4 アルコールを減らす
多少のアルコールなら問題ないんですが、一晩にグラスで2杯以上を飲み始めたあたりから、テストステロンの分泌量には影響が出てきます。具体的なメカニズムとしては、
といった感じ。心当たりのある方は、まずは1〜4週間は徹底的にアルコールを断ってみるしかなさそう。それができなければ、最低でも1日にグラス2杯分のアルコールを避けることをおすすめします。