「やることリスト」より「やらないことリスト」を作ったほうが脳は上手く働く
https://yuchrszk.blogspot.com/2016/03/blog-post_15.html?m=0
「やらないことリストを作ろう!」 なんてアドバイスをよく聞きます。やるべきことを書いたToDoリストの前に、「やらないこと」をリストアップしたほうが効率がいいよーって話です。
わたしも「やらないことリストは効くよな〜」とボンヤリ思ってたんですが、近ごろ出た論文(1)を見てたら、やっぱ事前に「なにをしないか」を決めておくテクニックは使えそう。
これはジョン・ホプキンス大学の実験で、学生たちに以下のトレーニングをしてもらったんですね。
- モニタに表示された様々な図形から「T」の文字を探す
- 半分のグループは、何の指示も受けずに文字を探す
- 残り半分のグループは、「Tは赤い文字じゃないですよ」と教えられる
大学の公式サイトにも、テストの動画が上がってました。
要するに「何を無視すべきか」を教えられた場合に、ヒトの注意力はどう変わるかを確かめたわけです。
その結果は、
- 最初のうちは、何も教えられずに文字を探したグループのほうが成績は良かった
- しかし、トレーニングが100回を超えたあたりから、「何を無視すべきか」を教えられグループのほうが成績が上がった
って感じだったそうな。つまり、短期的には余計なことを考えず目標に向かったほうがいいんだけど、長期的には「無視すべきもの」を学んでいったほうが注意力は高まるんだ、と。
これは心理学で「抑制」と呼ばれてまして、 脳が余計なものを無視する機能を指しております。普通はゴールに一点集中したほうが良さそうに思いますが、実際には抑制を働かせたほうが、結果的には注意力は高まりやすいんだそうな。
研究者いわく、
注意力とは、重要な情報だけを処理する能力だと思われがちだ。しかし、今回の研究で参加者の脳波を測ったところ、ムダな情報を抑制することの重要性が明らかになった。これは注意力のダークサイドだと思う。
とのこと。まずは「なにが不要か」をハッキリさせたほうが、長い目で見れば脳はうまく働くわけですね。
ノーベル賞を受賞したファインマン先生も、「どうでもいい書類審査はやらない!」と事前に決めておいたそうですし、集中力を高めるにはまず「やらないことリスト」を作るのも手かも。