瞑想とクラシックバレエをやれば「賢者」になれるかも
「瞑想とバレエで賢者になれる!」って論文(1)がなかなかユニークでありました。
賢者に必要な能力が育てられるかを調べた
これはシカゴ大学の実験で、瞑想で知恵がつくかどうかを調べたもの。
知恵といっても単に「頭が良い」って意味ではなくて、
- 人生を通して得た知識を活用できる
- 困難があっても冷静に行動できる
- 他人に対して思いやりを持って接する
- 社会に対して貢献する心がある
みたいな要素を意味しております。いわゆる賢者に近いイメージですね。
実験は298名の男女を対象にしたもの。みんな、以下の活動のいずれかを、数年にわたって経験してきた人ばっかりだったそうな。
- 瞑想
- アレクサンダーテクニーク(体のバランスや動作を改善するメソッド)
- フェルデンクライス・メソッド(質の高い動きを目指す運動法)
- クラシックバレエ
また、全員には心理テストが行われまして、不安レベルや共感力といった「知恵」に関する能力を調べあげたらしい。
賢者はトレーニングで身につくスキルである
その結果は、
- 瞑想歴が長いグループほど賢者レベルが高い
- 特にヴィパッサナー瞑想(自分の思考や行動を言葉で実況中継する)は「知恵」に効く
- マインドフルネス瞑想(特定の対象に意識を向ける)は2番手
- バレエは最下位だったが、練習時間が長くなるほど賢者レベルは上がっていく
とのこと。瞑想のようなメンタルトレーニングはもちろん、バレエみたいな運動でも「知恵」は深まっていくみたい。まぁどんな運動でも、集中力が高まれば瞑想に近い状態に入っていくんで、当然といえば当然なのかも。
なぜ瞑想や身体運動で賢者に近づいていくのかというと、
「知恵」は瞑想や運動と関係がある。瞑想は日常の不安を減らす効果が高いため、その結果として賢者レベルが上がっていく可能性がある。
とのこと。不安が減ったおかげで冷静になり、心に余裕ができたおかげで他人にも優しくなれるわけですな。
もちろん、この実験だけでは「もともと賢者レベルの高い人が瞑想を好みがち」って可能性も否定できないんですが、マインドフルネス瞑想が不安に効くのは間違いないですし、研究者の説にもうなずける感じであります。
わたしたちは、つい「知恵」は努力よりも才能が重要だと考えがちだ。しかし今回の実験によれば、 「知恵」は練習で身につけられるスキルなのかもしれない。
ってことで、瞑想でもスポーツでも、自分が集中して取り組めるものさえあれば、賢者スキルは身につけられるのかも。「賢者は作れる!」を合言葉にがんばっていきたいところです(笑)