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実は内向的な人ほど組織のリーダーには向いている

Introvert

 

こないだ、アダム・グラントの「ORIGINALS」を読みまして、このなかに出てた「内向的な人は組織のリーダーに向いている!」って論文(1)がおもしろかったんでメモ。

 

 

これはアダム・グラントが2011年に行った実験で、「内向的な人って本当にリーダーに向いてないの?」って疑問について調べたもの。一般的には、外向的でガンガン意見を言えるような人ほど、組織のボスにふさわしいイメージがありますけど、それって本当なの?って話ですな。

 

 

で、この研究で目をつけたのが、ピザの宅配チェーンであります。アメリカにある130のデリバリーピザ屋に協力をお願いして、まずはそれぞれの店長に性格テストを実行。さらに部下にもインタビューを行って普段の働きぶりをチェックしたうえで、各店の売り上げと比較したらしい。

 

 

そこでわかったのが、

 

  • 部下に積極性がない場合:外向的なリーダーのほうが売り上げが16%上がる
  • 部下に積極性がある場合:リーダーが外向的だと売り上げは14%下がる

 

みたいな感じ。なんでも、部下が積極的にアイデアを出してくるような状況では、イケイケのリーダーシップは裏目に出ちゃうらしい。まぁわかる気がしますな。

 



 

さらに、もうひとつの実験では、163人の学生を対象に以下のような調査をしたらしい。

 

  1. 全員に「10分で大量のTシャツを折りたたむ」という作業をしてもらう
  2. 参加者は5人ずつのグループにわかれ、それぞれ1人のリーダーを作る
  3. その際、半分のグループには、イケイケなリーダーシップの素晴らしさについて教えこむ(ケネディとかマーチン・ルーサー・キングJrとか)
  4. 残り半分のグループには、内向的なリーダーの素晴らしさを教えこむ(ガンジーとかリンカーンとか)

 

その結果がどうなったかと言いますと、

 

  • リーダーが内向的にふるまったほうが作業効率は28%アップした
  • 外向的にふるまったリーダーは部下から「ウザい」「怖い」と思われ、作業効率は低下した

 

みたいな感じ。内向的なリーダーは他人の話をよく聞くんで、部下が「認められた!」と思いやすく、結果としてモチベーションがアップするんだそうな。これもよくわかる話ですね。

 

 

というわけで、「内気だけど上司になってしまった…」みたいな人には、よい話ではないかと思います。とりあえず、内向性がリーダーシップに悪影響だってデータはないようなんで、「もっと積極的にいかなければ…」とか思い悩む必要はなさげです。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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