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「5秒ルール」が科学的に完全否定された件。床に落ちた食品は1秒でも危険

5sec

 

「5秒ルール」は科学的に正しいのか?

 「床に食べ物を落としても5秒でひろえば大丈夫!」って話がありまして、俗に「5秒ルール」などと呼ばれております。

 

 

一般的にはただの都市伝説と思われがちですが、実は昔から科学的な検証が行われてるのがおもしろいところ。その歴史は、ウィキペディアにくわしく出ております(1)。

 

 

で、これまでの研究の結果はまちまちでして、「乾いた床なら安全!」ってデータが出たいっぽうで、「どんな食品でも床に落ちたら危険!」って話もあったり。こんなもシンプルなことでも、意外と決着がつかないものなんですねぇ。

 



 

「5秒ルール」を徹底的に検証したら…

といった状況下、今度はラトガース大学が再検証(2)を行いまして、「5秒ルール」問題に新たな知見をくわえております。研究者いわく、

 

世間的にいう「5秒ルール」とは、雑菌が食品につくまでは時間がかかるので、床に落とした食品をすばやくひろえば、食べても安全というものだ。

他愛のない話題のように思えるかもしれないが、わたしたちは、厳密な実験で「5秒ルール」について調べたいと考えた。

 

とのこと。従来の研究よりも、厳密さを重視したらしい。これは期待が持てますなぁ。

 

 

というわけで、実験では、以下の4パターンずつの床と食品が検証に使われたらしい。

 

  1. ステンレス
  2. セラミックタイル
  3. 木の床
  4. カーペット

 

食品

  1. メロン
  2. パン
  3. パンとバター
  4. グミキャンディ

 

さらに、それぞれの床と食品の組み合わせを、次の秒数ですべて試したそうな。

 

  • 1秒以下
  • 2秒
  • 5秒
  • 30秒
  • 300秒

 

その結果、全128パターンのシナリオを20回ずつ試し、総計2,560回の計測を行ったそうな。いやー、確かに、これまでの実験で、一番徹底してますね。

 

 

雑菌は1秒で食品に感染していく

さて結果は、

 

  • 結局、どんな条件でも1秒以内で雑菌はつく

 

といったところで、5秒ルールは瞬殺されておりました。ただし、いちおう各条件ごとに差はあったらしく、

 

  • 湿った食品ほど雑菌はつきやすい(つまり、1位メロン、2位パンとバター、3位パン、4位グミ)
  • もっとも雑菌がつきにくい床はカーペットだった(その他の床は同じぐらい)
  • 当然、床につく時間が長いほうが雑菌も増える

 

みたいな感じ。納得の結果ですね。

 

 

研究者いわく、

 

「5秒ルール」は物事を単純化しすぎだ。雑菌は、瞬時に食品を汚染していく。

 

 とのこと。とりあえず、5秒ルールは信用しないほうがよさそうですねー。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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