夢のなかでトレーニングしても現実のスキルが上がる
「夢のなかで訓練してもスキルは高められる!」って実験(1)がおもしろかったんでメモ。たとえば、夢のなかでけん玉を練習すると、実際に体を動かしてけん玉を練習したときと、同じぐらいスキルがアップするかもしれないらしいんですよ。
夢のなかでタイピングをトレーニングしたら…
これはルプレヒト・カール大学の研究で、64人の男女を対象にしたもの。実験では、みんなに数字のタイピングを練習してもらったんですが、その際に、全員を4つのグループにわけたんだとか。
- 夢のなかでトレーニング
- 実際に体を動かして練習
- イメージトレーニング
- 何もしない
1番めの「夢のなかでトレーニング」は、いわゆる「明晰夢」をよく見る人たちに協力をお願いしたらしい。明晰夢ってのは、夢を見ている最中に「これは夢だ!」と気づいて、その夢を自由に操れる状態を指しております。世の中には、しょっちゅう「明晰夢」を見るタイプの人がいるみたいなんですな。
明晰夢が起きる理由はよくわかってないんですが、一説には「明晰夢を見ると頭が良くなる」とか、「自分を客観的に見る能力が高い」などと言われてたり。どうも脳の高次な機能と関係がありそうなんですよね。残念ながら、わたしは一度も経験したことがないんですが…。
夢のトレーニングが現実に勝った!
さて、この実験では、全グループのトレーニング時間を60分にそろえまして、翌日にタイピングのテストを行ったんだそうな。その結果は、何もしなかったグループにくらべて、
- 夢トレーニング:効率が20%アップ
- 体を動かして練習:効率が14%アップ
- イメージトレーニング:効率が12%アップ
って感じだったんですな。なんと、夢のなかでトレーニングをしたグループが、もっともスキルアップしております。なんでも、明晰夢のなかでは、現実とまったく同じ脳の機能を使うので、結果として効率よくトレーニングが可能になるんだとか。うーん、すごい。
まぁ64人だけの実験なんで、これだけで「夢のトレーニングのほうが現実よりすごい!」とは断言できないんですけど、2011年の実験(2)では「明晰夢と現実のトレーニングの効果は同じぐらい」みたいな結果が出てまして、それなりに可能性は高いのかも。
まとめ
そんなわけで、明晰夢を見られる方は、夢のなかでトレーニングをしてみるのもいいかも。いっぽうで、わたしのように明晰夢を見たことがない人は、「夢日記」や「スヌーズ機能」などで、夢をコントロールする訓練から始めるしかなさそうですが…。