実は「ダイエット中の炭水化物は夜に食べる!」が正解だった
夜にガッツリ炭水化物を食べたら…
「炭水化物は夜に食べたほうが痩せる!」って実験(1)が、かなりおもしろいです。「夜に白米やパスタ」と効くと、なんとなく太りそうなイメージがありますが、実は「ダイエット中の炭水化物は夜!」が正解なんだそうな。
これはヘブライ大学の実験で、太りぎみの男女78人を対象にしたもの。全員を以下の2グループにわけて、半年のダイエットにチャレンジしてもらったらしい。
- バランス食グループ:1日3食ずつ、ほぼ均等に炭水化物を食べる
- 夜に炭水化物ガッツリグループ:朝と昼は肉とサラダがメイン。夜にパスタやパンを大量に食べる
1日の摂取カロリーは、 みんな1,300〜1,500kcalに統一。三大栄養素のバランスは、タンパク質20%、脂肪30〜35%、炭水化物45〜50%にそろえたそうな。
ちなみに、夜だけ炭水化物を食べたグループのメニュー例は、こんな感じ。
- 朝:コーヒーと牛乳、ナッツ類、チーズ、サラダ
- 昼:ゆで野菜、肉か魚、野菜スープ
- 夜:ライス、パスタ、コーン、豆類、ポテト、サツマイモ、サラダ
夜はほぼ炭水化物しか食べない配分になっております。なかなか極端ですねー。
夜に炭水化物を食べたほうが痩せる
さて、半年後の結果はどうなったかと言いますと、
- バランス食グループ:体脂肪14%減、BMI9.5%減
- 夜に炭水化物ガッツリグループ:体脂肪18%減、BMI12%減
という感じ。同じぐらいのカロリー制限をしたにも関わらず、夜に炭水化物を食べたほうが、あきらかにダイエットの成績が良くなっております。
夜の炭水化物で肥満防止ホルモンが増える
こういった効果が出たのは、ズバリ、夜に炭水化物を集中させることで、レプチンっていう肥満防止ホルモンの分泌パターンが変わったからであります。
レプチンは脂肪細胞から出るホルモンで、おもに食欲をコントロールする物質。こいつの分泌量が増えるほど満腹感がアップし、痩せやすくなっていくことがわかっております。
が、レプチンは脂肪細胞から出る物質なんで、ダイエットが進んで体脂肪が減っていくと、同時に分泌量が減っちゃうんですな。つまり、
- 体脂肪が減る
- レプチンの量も減る
- 食欲が増える
- ダイエットが難しくなる!
って仕組みになってまして、これがダイエット失敗の大きな原因のひとつになっております。
また、このレプチンは、おもに午前から昼にかけてもっとも分泌量が増えて、夜に向けて少しずつ減っていく性質を持ってるんですね。つまり、普通に食事をしていた場合は、午前中より夜のほうが腹は減りやすいわけです。
ところが、夜に炭水化物を集中させると、このパターンが一変。レプチンの量が夜にピークを迎えるようになり、そのぶん1日を通して満腹感が続いていくんですな。おもしろいですねぇ。
実際、この実験でも、夜に炭水化物を食べたグループは、食後の満腹感が13.7%もあがったとか。いっぽうでバランス食グループは、食後の満腹感が6%ほど下がってたそうで、かなり食欲のコントロールに苦しんだ模様。その差が、半年後の結果につながったみたいですね。
夜の炭水化物はアンチエイジングにも効く
研究者いわく、
夕食前は炭水化物を食べないというシンプルなテクニックで、空腹感/満腹感が大きく改善し、体重の減少にも良い影響が出た。
さらに、夕食に炭水化物を集中させたグループは、インスリン抵抗性やメタボの数値が改善し、体内の炎症レベルも下がっていた。
とのこと。なんでも、夜に炭水化物を食べたグループは、アディポネクチンっていう超善玉ホルモンも増え、おかげで体内の炎症まで減ったみたい。すばらしい…。
というわけで、夕食に炭水化物を集中させると、肥満対策に効くだけでなく、アンチエイジングにも良い可能性が出てまいりました。いままで、あんま炭水化物のタイミングは気にしてなかったんですけど、ちょっと取り入れてみてもいいかなー。