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頭が良くなるかもしれないナッツが2つ見つかった件

Nuts  

ナッツで頭が良くなる……かも 

ナッツが体にいいのはほぼ確実な話で、1日20〜28グラムであらゆる病気のリスクが低下し、特にクルミはアルツハイマーの進行を止める可能性があったり、ストレスホルモンに効いたりといった報告が出てたりします。ハイカロリーなのが玉にキズながら、健康食としてはもっともエビデンスが多い食品のひとつだと申せましょう。

 

 

で、新しく出た論文(1)では、「ナッツで脳機能が向上!」って話になっておりました。

 

 

これはロマリンダ大学の実験で、ダークチョコレートの抗酸化研究などで有名なリー・バーク博士によるもの。参加者に6種類のナッツを食べてもらったうえでEEGにかけて、脳波がどう変わるかをチェックしたんだそうな。

 

 

 

今回の研究は、ナッツが体にいいだけでなく、脳にも良い可能性を示した。



6種類のナッツで脳波が変わるかを調べた

具体的に使われたナッツは、

 

  • アーモンド
  • カシューナッツ
  • ピーナッツ
  • ペカン
  • ピスタチオ
  • クルミ

 

の6種類。研究者いわく、

 

ナッツはフラボノイドを大量にふくんでいる。フラボノイドは抗酸化能力が高いため、心疾患のリスクを下げ、癌の予防効果があり、抗炎症の作用も併せ持っている。多くの研究によれば、フラボノイドは体内を通過して脳まで達し、学習と記憶を司る海馬のエリアに堆積していく。

 

とのこと。ナッツにふくまれるフラボノイドが体にいいのは昔からわかってたけど、こいつが脳を守って頭の血の巡りを良くしてくれるうえに、新しい神経の発生も手助けしてくれるのではないか、と。確かにナッツが脳機能にいいってデータはちらほら出てるんで、ありそうな話ではあります。

 

 

ピスタチオとピーナッツで脳波が変化

さて、実験で何がわかったかというと、

 

  • 一番フラボノイドの量が多いのはクルミだった
  • が、もっともガンマ波の反応が大きかったのはピスタチオだった
  • さらに、もっともデルタ波が大きくなったのはピーナッツだった

 

だったそうな。ガンマ波ってのは、頭の情報処理スピード、学習、記憶、睡眠の質に関係する脳波で、デルタ波は深い睡眠や免疫系の健康に関わる脳波であります。 

 

 

研究者いわく、

 

今回の研究は、ナッツが体にいいだけでなく、脳にも良い可能性を示した。 

 

とのこと。もちろん、たんに脳波が変わっただけじゃ「ナッツが脳に効く!」とは言えないんですが、なかなかおもしろい変化じゃないかと。

 

 

あと、細かいことを言えばピーナッツはナッツじゃなくて豆類なんですが、もっともデルタ波に影響が出たってのも不思議っすね。ナッツを調べた過去のメタ分析だと、ピーナッツには健康効果がないって結果だったので。このへんは今後の研究待ちですかね。

 

 

まとめ

いずれにせよ、ナッツであらゆる病気のリスクが下がるのは確実なんで、ついでに脳の健康に役立っても不思議ではなさげ。とりあえず1日30グラムを超えないように注意しつつ、普段の食事に取り入れていけばよいのではないかと。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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