Dアスパラギン酸で男性ホルモンがドバドバ!説に終止符が打たれる
D-アスパラギン酸で男性ホルモンは増えるか?
D-アスパラギン酸っていう有名な筋トレサプリがあるんですよ。これはアミノ酸の一種でして、テストステロンの材料になる物質なもんで、「飲むと筋肉が増える!」と言われてビルダーさんなどに愛用されてきたんですな。
この問題については過去にも実験が行われてきたものの、いまいちハッキリしたデータが出てないのが難点。「まぁ男性ホルモンが少ない人にはいいのかも……」ぐらいのボヤッとした結論だったんですね。
が、近ごろD-アスパラギン酸に関して割とデザインの良い実験(1)が出まして、サプリを買うかどうかお悩みの方には参考になるのではないかと。
1日6gのD-アスパラギン酸で実験
これはウエスタンシドニー大学の実験で、19人の筋トレ好きな男性が対象。だいたい過去2年のあいだに週3のペースで筋トレを続けてきた人だけを選んだそうな。
実験では全体を2つのグループにわけまして、
- 毎朝6gのD-アスパラギン酸を飲む
- 毎朝6gの米粉を飲む(プラシーボ用)
そのまま12週間ほど続けてもらったそうな。D-アスパラギン酸の研究としては最長でして、参加者は少ないながらも貴重なデータではないかと思われます。
実験中の筋トレは週に4回で、5つのエクササイズをそれぞれ10回5セットずつこなしたとのこと。そのうえで、テストステロンや筋肉量の変化をチェックしたんですな。
D-アスパラギン酸は金のムダだった
さて、まずは大きな結論から行きますと、
- D-アスパラギン酸を飲んでもテストステロンも筋肉も特に増えなかった!
って感じです。1日に6gmものD-アスパラギン酸を飲んだところで、米粉を飲んだグループと同じぐらいしかテストステロンは増えず、筋肉のサイズや筋力も同じぐらい増加したらしい。要はサプリは無意味だった、と。
ちなにに、この実験ではほかの指標も調べたんですが、D-アスパラギン酸で違いが出たのは女性ホルモンの量と神経筋機能だけだったみたい。ただし、この2つについても偽陽性の可能性が強いんで、あえてD-アスパラギン酸を買うにはいたらないレベルっすね。
ってことで、やはり筋トレのためにD-アスパラギン酸を買うのは金のムダって結論になりそう。やっぱ男性ホルモンについては、サプリで増やすことを考えるのではなく、「テストステロンを増やすなら、とりあえずこの6つだけはやっておいてね 」で紹介したライフスタイルの改善しかないんでしょうなぁ。