ホエイプロテインは消化がいいから食事のタンパク質よりいい!問題について考える
ホエイプロテインは食事のタンパク質よりいい?
プロテインに関するご質問をいただきました。
suzukiさんはホエイプロテインをおすすめされていますが、自分は体質が合わないせいでホエイプロテインが飲めません。そこで食事からプロテインをとろうと思うのですが、ネットなどではホエイプロテインのほうが吸収されやすいという意見も見かけます。どうお考えになりすでしょうか?
とのこと。ホエイプロテインは消化がいいので、食事からタンパク質を摂るよりも効果が出やすいのではないか、と。なかなかありそうな仮説ですねぇ。
これは意外と難しい問題なんですが、いまのとこもっとも参考になるのが、2016年にスキッドモア大学が行った実験(1)かと思います。
ホエイと食事で効果の違いを確かめた
これは肥満気味の男性30人を対象にした実験で、全体を以下のようにわけております。
- ホエイプロテイングループ:1回20〜25gのホエイプロテインを1日に6回ずつ飲む
- 食事プロテイングループ:1回20〜25gのタンパク質を1日に6回ずつ食事から摂る
この状態で、全員には「好きなだけ食事をしてOK」と指示をしたらしい。特にカロリー制限は行わず、タンパク源の違いでどんな差が出るかを確かめたわけっすな。
食事プロテイングループのタンパク源は、卵白、ギリシャヨーグルト、魚、鶏肉、牛肉、カッテージチーズなど。いずれもホエイプロテインに比べれば消化はかなり遅い食品ばかりですね。
いっぽうでホエイプロテイングループが使ったのは、Optimum Nutrition社の「ホエイプロテイン」だったとのこと。世界でもっとも売れてるプロテインブランドのひとつっすね。
エクササイズをしたうえで体組成をチェックした
で、実験の期間は16週間で、全員には同じトレーニングメニューが指示されております。
- 筋トレ;1回10〜15回を2〜3セット
- インターバルトレーニング:「30〜60秒の全力スプリント → 2〜4分の休憩」のサイクルを7〜10セット
- ストレッチ:ヨガやピラティスをだいたい60分かけて行う
- 持久走:最大心拍数の60%ぐらいの負荷で60分ほど走る、または水泳
それぞれのメニューを週1のペースで実践して、最後にDXA法で全員の体を調べたんだそうな。
ほとんどのパラメーターはどちらも同じだった
そこでどんな違いが出たかと言いますと、
- 両グループとも体重は5%減
- ウエストサイズはホエイプロテインの勝ち(-16% VS. -8%)
- 両グループとも脂肪は11%減
- 内臓脂肪はホエイプロテインの勝ち(-28% VS. -18%)
- 両グループとも、ベンチプレスやレッグプレスなどの筋力アップ率は同じ
- 両グループとも、コレステロール、インスリン、血圧などの数値には変化なし
って感じです。
まとめ
この結果をどう解釈するかは人それぞれでしょうが、個人的には「別に食事からのタンパク源で十分じゃない?」って気がしますね。
確かに、ウエストサイズと内臓脂肪についてはホエイが上回ってますが、現実的な効果で考えますと、体に合わないプロテインを我慢して飲むほどのメリットでもないかなぁ、と。それ以外の数値については、別にホエイプロテインが上回ってるってわけでもないですしね。
研究者いわく、
今回の実験結果は、ホエイプロテインと食事のプロテインの両方とも、体型と健康レベルを改善するには同じぐらい効果的なことを示している。
とのこと。もちろん、これは肥満気味の成人を対象にしているので、筋トレ歴が長い人だとまた結果も違うんでしょうが、とりあえず一般人にとって「ホエイか?食事か?」ってのは気にするポイントじゃないかと思われます。どうぞよしなに。