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スタンフォード研究「私たちはネットの商品レビューで間違った物を買わされている」

 Shoping

 

 ネットの商品レビューにはどこまで影響力があるのか

 「ネットの商品レビューがムダな買い物の原因に!」って研究(1)がおもしろかったんでメモ。

 

 

これはスタンフォード大学の実験で、Amazonなどのレビューで「物を買う意欲」がどう変わるかを確かめております。

 

この研究の目的は、人間が消費行動を起こすにあたり、サイトのレビューをどのように活用しているのかを調べることだ。なかでも、私たちが他人の意思決定にどう左右されるのかを調査した。

 

とのこと。商品レビューはどこまで影響力があるのか?って問題を調べたわけですね。



必ずしも良い商品が売れるわけじゃないのはなぜか?

そこで、まず研究チームはAmazonのレビューを数万件ほどチェック。レビュー数とレーティングの平均値をくらべたところ、

 

  • 商品のレビュー数とスコアの平均値は相関していない

 

ってことがわかったそうな。つまり、必ずしも良い商品が売れてるわけじゃない!ってことですね。これは納得できますねぇ。

 

 

続いて研究チームは、132人の男女を集めて実験も行っております。全員に何種類かのスマホケースを見てもらい、それぞれのAmazonレビューを参考にしつつ、どれを買う気になったかを答えさせたわけです。そこでどんな傾向が出たかと言いますと、

 

  • たいていの人は、とにかくレビュー数が多い商品を選びがち!

 

ってことです。この傾向はかなり強烈で、スコアの平均値が低かろうが、なぜかみんなレビュー数が多いものを選んじゃうらしい。

 

 

実際はレビュー数が少ない商品を選ぶほうが合理的

研究者いわく、

 

今回の研究では、Amazonの膨大なデータセットを調査して、私たちはどのように商品を選ぶか?という問題に関する統計モデルを作った。このモデルに照らせば、もしレビューの評価が低い商品が2つあった場合は、レビューの数が少ないものを選ぶほうが合理的な選択になる。そのほうが、実際の商品は悪くない確率は高いからだ。

 

しかし現実のユーザーは、まったく逆の消費行動を取る。商品の質が低いことが明らかな場面でも、よりレビュー数が多いものを選んでしまうのだ。

 

とのこと。要するに多くの人には、商品の質よりも商品の人気を優先して購入を決めちゃうバイアスがあるんだ、と。わかりますなぁ。

 

いまのウェブサイトやアプリでは、商品レビューの平均スコアとレビュー数が表示されるのが普通だ。今回のリサーチによれば、これらの情報のせいで、私たちは無意識のうちに悪い決断を下していることになる。

 

多くの人には、より人気の高い商品をつい購入してしまうバイアスがある。そのせいで、私たちはときに最悪の決定を下してしまう可能性があるのだ。

 

ってことで、この問題に特効薬はないんですけど、とりあえずそういったバイアスがあることを意識しとくだけでも違うかと思われます。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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