たった15分の有酸素運動で脳の働きが「最適化」されるぞ!というマギル大学実験
「運動で頭が良くなるよー」って話を死ぬほど書いていて、
みたいな話があったり、逆に言えば、
といったデータが出ていたりと、とにかく脳と運動は密接だったりするんですな。なので頭をシャープにしたい人は、筋トレだろうが有酸素運動だろうがやっておくのが吉。
でもって、新しく出た論文(1)では「ほんの少しの運動でも、その直後から脳が最適化される!」といううれしい内容になっておりました。
これはマギル大学の研究で、まずは参加者たちに以下のようなゲームをやってもらってます。
モニタ前のジョイスティックを動かしつつ、赤いブロックをできるだけ速くつなげていこう!みたいな内容でして、ざっくりと全員の脳の働きを調べたわけですな。
その後、全体を2つのグループに分けまして、
- エアロバイクで15分だけ猛スプリント
- 座ったまま休憩
って指示を実践してもらったあと、
- 30分後
- 60分後
- 90分後
- 8時間後
- 24時間後
の5つのポイントで再び同じゲームをしてもらったんですな。ついでに、この時に全員の脳波も測っていて、頭の活動がどう変わったかもチェックしております。
でもって、その結果をひとことで言ってしまえば、
- 15分の運動をしたグループは脳が最適化されていた!
って感じです。なんでも運動をしたグループはゲーム中も神経の活性レベルが低かったらしいんですな。
というと「頭は活性化したほうがいいんじゃないの?」と思われるかもですが、活性が少ないってことは、より少ない労力で脳が効率よく動いてるってことを意味するんですよ。実際、運動をしたグループはゲームの成績も上がってまして、おそらく脳が省エネ化したのだろうと考えられるわけです。
研究者いわく、
運動で脳神経の活性が低下したことで、残ったリソースを他のタスクにまわすことが可能になる。運動は脳の一部のエリアを解放してくれるのかもしれない。
とのこと。エクササイズには脳のメモリを解放する働きがあるんじゃないか?ってことですね。
さらに、この実験ではもうひとつおもしろい傾向が出てまして、
- 8時間の時点では、両グループでゲームの成績にはさほどの差が出なくなった
- ところが、24時間後の計測では、再び運動をしたグループの成績が向上した
って結果が確認されたんだそうな。この現象について研究チームはこう申しておられます。
運動と睡眠は相互作用を起こし、運動記憶の統合を最適化してくれるのかもしれない。
睡眠中に記憶の再構成が行われるのは有名ですが、その作業を運動が助けてくれるんじゃないか、と。以前に「10分で頭の回転が14%アップ」って話がありましたが、ほんの15分で記憶力にも影響が出ることがわかったのはまことに幸甚と申せましょう。
もちろん、この実験は運動記憶しか調べてないので、果たして他の種類の記憶でも同じことが起きるかはわかりませんが、とりあえずは、
- まずは15分だけ運動する
- それから勉強する
- よく寝る
って3ステップをこなとと脳の最適化メリットを得られるかもしれませんね。やってみよう。