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自分が大好き!なナルシストほど意外と社会では成功するのかもしんないぞ!という研究

Narcissist

 

ナルシストといえば、とかく世評が悪いわけです。そりゃあ「自分だけ大好き!」みたいな人と長く付き合ってランないですからね。

 

 

事実、心理学でもナルシストはダークトライアド(人間のダークサイドを代表する性格)のひとつとしてカウントされていて、他人への悪影響が大きな存在だと考えられてるんですよね。

 

 

が、新しいデータ(1)では「ナルシシズムは成功の役に立つ!」って話になってておもしろいです。

 

これはロンドン大学の研究で、340人の学生が対象。子供たちの性格や学校の成績を記録し続けた「MILES(2)」っていうデータセットを使ってまして、だいたい2015〜2017年ぐらいの経過をチェックしております。

 

 

では、ここで研究チームが何を考えたかと言いますと、

 

ナルシシズムは社会的に悪影響がある特性だと思われている。

 

先行研究によれば、ナルシシズムは世界的に増えていると言われる。しかし、この傾向は、ナルシシズムを発揮する者たちが人格障害を患っていることを必ずしも意味しない。

 

そこで今回の研究では、いわゆる「正常」なナルシシズムに的を絞った。正常なナルシストには、過度のナルシストと同じく大げさな行動、権利意識、支配性、優越性などをともなうが、そのレベルは低くなる。

 

だそうです。さすがに治療が必要なレベルだと問題があるけど、ちょっと自分が好きなぐらいのよくいるナルシストはどうなの?もしかしたら逆に役立つこともあるのでは?と考えたわけっすな。

 

 

ちなみに、ここでいう普通のナルシストってのは、 

 

 

正常なナルシストは自分のことを他人より優れていると信じ、その能力に見合うだけの報酬を得て当然だと思っている。

 

 

 

みたいな感じです。いやー、確かに身の回りに必ず何人かいるタイプですね。

 

 

では分析の結果がどうだったかと言いますと、

 

  • ナルシストな学生は成績が良い傾向があった!
  • 同じレベルのIQを持つ学生をくらべたら、ナルシストなほうが成績が良い!

 

だったらしい。普通のナルシストってのは意外と優秀で成功しやすいのかもしれないんだと。

 

 

なんでこういう現象が起きるのかと言いますと、

 

自分の能力への自信はナルシシズムの特徴のひとつであり、これがメンタルの強靭さにつながっていく。メンタルが強靭であれば新たなチャレンジも受け入れるだろうし、自分の成長のチャンスだとも思うだろう。

 

ってことで、適度なナルシシズムが自信につながってるってことっすね。ナルシストな社長が意外と成功しやすいみたいなものですな。

 

ナルシシズムテストの点数が高い人は自尊心が高まりやすく、その結果としてモチベーションが上がり、自己主張もうまくなり、特定の状況では成功しやすいのかもしれない。

 

ナルシシズムについては、もっと社会的な見方を変える必要があるだろう。私たちはつい「感情」や「性格」を良いか悪いかの二元論でとらえてしまうが、結局のところ、どちらも進化の産物にすぎないため良いも悪いもない。大事なのは適応的か非適応的かだ。

 

ってことで、ナルシストが正しくメンタルタフネスにつながれば、この特性が適応的に使われる場面もあるぞって話でした。

 

 

 

いっぽうでは、「ナルシストと自信がある人ってなにが違うの?」って議論もありますが、ナルシシズムが他人の攻撃に向かったり「隠れナルシスト」にならない限りは適応的なのかもしれませんなぁ。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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