人生の成功に欠かせない「6つの性格」を持っていれば長生きできるかもだ!という観察研究の話
「こんな性格の人は長生きできる!」みたいな論文(R)がおもしろかったんでメモ。
これはロチェスター大学の調査で、26,845人の男女を1960年から47年間も追い続けた長期研究になっております。参加者は13〜18歳の時点から独自のパーソナリティテストを受けるように指示されまして、成人後の生存率と比べたんですよ。
この研究でどんなパーソナリティをチェックしたのかというと、心理学の世界で昔から「人生で成功するために必要なんじゃない?」と考えられてきた要素を中心に調べてます。具体的には、
- 落ち着き(ネガティブな感情にふりまわされないかどうか)
- 社会的感受性(他人の感情に敏感かどうか)
- 非衝動性(向こうみずな行動を取らないかどうか)
- リーダーシップ(責任感があり、自分でものごとを決められるかどうか)
- 活力(エネルギーにあふれているかどうか)
- 自信(自分の思考と能力に確信があるかどうか)
- 整然さ(秩序を好むかどうか)
- 社交性(他人との交際が好きかどうか)
- 知的好奇心(アートや知的な洗練を好むかどうか)
- 成熟性(目標に向かって忍耐強く取り組めるかどうか)
という10のポイントを調べた上で、全員の収入や仕事、家族背景、教育レベルなどの要素をコントロールしたところ、「長生き」と密接に結びついていたのは以下の6つでした。
- 活力
- 社会的感受性
- 落ち着き
- 整然さ
- 知的好奇心
- 成熟性
これらの要素を備えてる人は、全体的に寿命が長い傾向があったんだそうな(具体的に何年ぐらい寿命が伸びるかを言うのは難しいですが)。まぁ昔から「マジメにコツコツとやれる人は長生きできる」って話もありますんで、これには納得と申しますか。
この結果について研究チームいわく、
人生においてパーソナリティと健康が相関しているのは、特定の性格が体に悪い行動を選択させ、長期的に免疫系や分泌系、循環器系に悪影響をあたえる。
さらに、人生の成功に必要なパーソナリティを持たないと学習もうまくいかず、中年になってからのキャリアにも影響が出てしまう。その結果、離婚や離職のように社会的なトラブルも生み、これもやはり早期死亡率の増加の原因となる。
とのこと。悪いパーソナリティを備えた人は、人生のいろんな面で悪い選択をしがちなので、そのツケが溜まりに溜まって短命につながっていくわけですな。そりゃそうっすねよね。
ある意味で、パーソナリテイと寿命の相関が10代の頃から予想できるというのは驚くべきことだろう。一般的に学生時代はパーソナリティを発達させる時期であり、いくらでも修正が可能だと思われているからだ。
人間のパーソナリティは一生を通してそんなに変わるわけじゃないんで、10代の頃の性格が寿命に反映されるんだ、と。そう考えるとちょっと怖い話ですな。
まぁ現時点では、
みたいな考え方もありますんで、上にあげた「人生の成功に欠かせない性格」に自信がない方は、参考にしてみちゃいかがかと思うわけです。