日焼け止めの化学物質が血液に流れ込んでることが判明!ってニュースにはどこまでビビるべきか?
日焼け止めに関するご質問をいただきました。
こんにちは。日焼け止めが皮膚から血液中に吸収されると言う気になる記事がありました。どう思われますか?
https://wired.jp/2019/05/08/sunscreen-chemicals-soak-all-the-way-into-your-bloodstream/
とのことで、リンク先の内容をひとことでまとめると、
- 日焼け止めに入ってる化学物質が血液に流れ込んでることがわかったよ!(主にオキシベンゾン)
って感じでして、いかにも怖い話になっております。ネタ元はFDAが行なった実験(R)で、大筋は記事のなかで説明されてるとおりです。
では、個人的にこの研究を見てどう思ったかと申しますと、
- サンプル数が少ないなぁ……:ひとつの日焼け止めにつき6人しか試してない
- 日焼け止めの使用量が異常に多いなぁ……:だいたい2日で一般的なボトルをひとつ使い切るレベル
ってところですね。特に引っかかったのは使用量で、こないだモルジブに2週間行ったときでもボトル1本半ぐらいしか使わなかったんで、2日で1本ってのはかなりのもんですなわな。なので、普通に使ってる限りはFDAが定める基準値(0.5 ng/ml以下)には届かないだろうなーとか思うわけです。
まぁそうは言っても「いや!体内に入り込むのがわかっただけでも怖い!危ない!」と思われる方もおりましょう。いくら吸収量が少ないと言われても、「化学物質が入り込む!」と言われりゃなんとなく嫌ですもんね。
が、個人的にはこの点についてもそんなに心配してませんで、そもそも「血中に日焼け止めの成分が入り込む」って話は昔からよくあったんですよ。具体的には、
などがありまして、いずれも「日焼け止めの成分は普通に体内へ入り込むよー」って結論になっております。すでに20年以上前からよく知られた話だったわけですな。にも関わらず、現時点まで日焼け止めで目立った害は報告されてませんで「まぁ大丈夫じゃない?」って気がしてくるわけです。
実際、この実験を行なった当のFDAによるプレスリリース(R)を見てみますと、
一般市民は日焼け止めの使用をやめるべきではない。広域スペクトラムでSPFが少なくとも15の日焼け止めは、メラノーマ予防の方法としてとても重要な要素だ。
などと書いてありまして、今後も日焼け止めを使うように推奨してたりします。日焼け止めのメリットは科学的にかなり実証されてるのに比べて、日焼け止めの吸収による害はほとんど確認されてないのだから、当然といえば当然でしょうが。
もちろん、だからといって「日焼け止めは体内に入っても安全!」とは言い切れないので、今回のように研究が続くのは大事なことではあります。が、とりあえず今回の件について簡単にまとめれば、
- 実験では大量の日焼け止めを使っているため、通常使用には当てはめられない
- 日焼け止めの成分が体内に入り込むのは昔から知られており、その後も目立った毒性は報告されていない
- 現時点では、日焼け止めによるメリットは、日焼け止めを使わないデメリットを上回ると思われる
みたいになりますね。それでも「やはり怖い!」って方は他の方法で紫外線の害に対処していただければと思いますが、私は今後も普通に日焼け止めを使い続けるつもりでおります。