意志の力で性格は変えられるのか?
「意志の力で性格は変えられる!」と主張する実験(1)がおもしろいのでメモ。
これはイリノイ大学の研究で、対象は151人の学生たち。全員に性格テストを受けてもらったうえで、その後16週間の経過をみたんですね。
すると、明確に「性格を変えたい!」という意志があった学生ほど、その後で性格テストの結果が変わり、実際の行動にも変化が出ていたとか。たとえば「社交的になりたい!」と思っていた学生は、ちゃんと友人を食事にさそったり、パーティに参加したりしていたわけですね。
また、研究者いわく、この際に「実行意図」という心理テクを使うと、望ましい行動を取る確率が格段にアップしたとか。これは特に難しい方法ではなくて、以前に紹介した「if-thenプランニング」と同じものです。
簡単に言えば、
- もしXが起きたらYをやる
という形で、あらかじめ実践したい行動を紙かなんかに書いておけばOK。実にシンプルですが、これだけで実際に先延ばしや怠け癖がかなり改善するとのデータが出ております
ここで気になるのは、「本当に性格が改善したと言えるの?」ってとこですが、実際のビッグファイブテストでは、誠実性や外向性に変化が出ていたとか。望ましい行動の回数が増やしたら、本当に性格に違いで出たわけですな。
まぁこれは16週間のデータなので、性格の変化がどこまで持続するのかは不明。研究者は「望みさえすれば性格は変わるのだ!」と言い切ってるんですが、そのへんはどうなんでしょうね。
もっとも、ハーバードのブライアン・リトル博士も「性格が変えられないなら、行動を変えればいいじゃない」と言ってますし、実際に「if-thenプランニング」の効果があらためて確認されたのはありがたいところ。ちなみに、このあたりのテクニックをさらに洗練させた「WOOP」って手法もありまして、こちらも合わせてご参照いただければ幸いです。