マグネシウムの効果を徹底的に調べまくったら、"あの症状"にほぼ確実に効くことがわかった件
「マグネシウムって重要よねー」みたいな話を何度も書いております当ブログ。なにせマグネシウムは300以上もの酵素の働きに関わってるんで、ちょっと不足するだけでも全身がガタガタになっちゃうんですよ。
こうなると、「マグネシウムの効果にはどれぐらいの証拠があるの?データの精度はどれぐらいなの?」ってところが気になるわけです。マグネシウムのデータは山ほどあるけれど、大きな目で見た場合に、それらの証拠をどのように位置づければいいの?って問題っすね。
ってことで、新しく出た論文(R)は、マグネシウムの作用についてアンブレラ・レビューを行ってくれてて参考になります。アンブレラ・レビューってのは、過去に出たマグネシウムに関するメタ分析をいろいろと集め、それらをさらに解析したデータのこと。いわばレビューのレビューみたいなものでして、現時点での大きな見取り図を得るのに役立つんですな。
このアンブレラ・レビューは16件のメタ分析をカバーした長大な内容になってますんで、とりあえずポイントだけをざっくり以下にまとめてみます。
- エビデンスレベルが高いもの(P値 < 0.005で、GRADE基準でもハイクオリティと認められてるもの)
- 妊娠した女性の入院期間が減る(相対リスク34%)
- 偏頭痛の強さと頻度が減る(オッズ比0.4)
- 最低血圧が改善する(だいたい2 mmHg)
- エビデンスレベルがそこそこなもの(P値 < 0.01)
- 最高血圧が改善する
- エビデンスレベルが低いもの(P値 < 0.05)
- 耐糖能が改善する(=糖尿病リスクが改善する)
- 新生児の健康状態が改善する
- 妊娠した女性の血圧が改善する
ってことでまずまずの結果になったわけですが、別にここでリストアップされた効果以外が否定されたわけじゃないんでご注意ください。例えば、マグネシウムの効果としてよく言われる「睡眠の改善」や「メンタルの改善」については調査の対象になってないので、そこらへんは今後のリサーチに期待って感じです。
とりあえず、この結果を見た雑感としては、
- 血圧は改善しそうだけど、だいたい2 mmHgぐらいなんで美味しくはない
- が、「偏頭痛に効く」って作用がエビデンスレベル高めで報告されたのはうれしい
みたいな感じでしょうか。血圧の改善を狙って使うには心もとないものの、偏頭痛にお悩みの方にはちょっとうれしいのではないかと。
そんなわけで、謎の頭痛に困っているならマグネシウムはオススメ。この論文だとどんなマグネシウムを使えばいいかはわかりませんが、ざっとデータを見た限りでは、
- 250mgの酸化マグネシウムを1日2回飲めばいいんじゃない?
って感じになろうかと思います。どうぞよしなに。