2019年の上半期に読んでよかった6冊の本
今年ももう半年が過ぎたのかぁ……。「年を取ると時間が経つのが速いのは脳が衰えたからだ」とか言うように、実際に40代を超えてから時間の経過がマッハになってまして、体感ではまだ2018年の11月ぐらいを過ごしております。
で、例年どおり「上半期の良かった本」をまとめようかと思ったんですが、ここ数年は仕事が激しく増えたおかげで例年になく読書量が減ってたりします。「労働時間が週40時間を超すと早期死亡率が激増」みたいな話を書いてるくせに、なんだか有言実行できてませんなぁ。トホホ。
とはいえ、そんな状況でもいくつかナイスな本がありましたんでご紹介しときます。
1.マンガでわかるこんなに危ない! ?消費増税
もうすぐ10%になる予定の消費税がどれだけ日本経済を破壊するか?(ここらへんはブランシャール先生も主張してましたな) でもって、それだけ消費増税のダメージがデカいのになんで国は推進してるのか? がコンパクトにわかる一冊。
とにかく情報の取捨選択がうまくて、ネットで喧々囂々な増税議論をよくここまでわかりやすくまとめたな、と思います。参院選のおともにぜひどうぞ。
2.WTF経済 ―絶望または驚異の未来と我々の選択
みんな大好きオライリー社のボスが「なぜここまで我が社は未来を先取りできたのか?」を語る本。といっても自慢話ではなくて、先端技術を信頼したうえでどう社会問題を解決していくか?ってところを深掘りしてて楽しいです。
すぐに使えるTIPSがあるような本じゃないものの、「テンポが速くて状況がコロコロ変わる現代をどう見るか?」みたいなガイドラインとして良いかと。「未来へのガイドとして、好奇心と驚異を使おう」とか「未来を見たければ主流が提供している技術ではなく、周縁部のイノベーターたちが提供する技術を見なければならない」のようなパンチラインも満載。
3.FACTFULNESS(ファクトフルネス)
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
どの本屋でもバカ売れしてる一冊。以前に紹介した「進歩」と同じく「世界はこれだけよくなってる!」系の流れをくむ一冊でして、これだけ類書が大いにも関わらず抜きん出て売れたのは、情報の見せ方がうまいからだと思われます。データが意味するところを視覚的に提示するのが上手なんですよねぇ。
売れたせいで一部の「世の中はどんどん悪くなっている!」派の方々からは叩かれてますけど、この手の議論になじみがないなら読んどいて損はないです。
4.僕たちは、宇宙のことぜんぜんわからない
僕たちは、宇宙のことぜんぜんわからない――この世で一番おもしろい宇宙入門
宇宙論の本っておもしろいんだけど、どんどん何がなにやらわからなくなり、最後は煙に巻かれた気分で終わったことはないですか? 私はよくあります(「宇宙を織りなすもの」とか「ワープする宇宙」とか)。
が、この本は「そもそも宇宙なんてわからないことだらけなんだから仕方ないのだ!」ってとこから出発してて、読み手を安心させつつセンス・オブ・ワンダーを体感させてくれるナイスな一冊になっております。どこまでわかっててどこまでわからないのかを線引きしてくれるのって、本当にありがたいですよね。
5.見えない違い 私はアスペルガー
アスペルガー症候群の著者が、自分の生きづらさを漫画で表現した一冊。情報とノイズに圧倒されて処理ができなくっていく様子や、他人の善意が裏目に出まくる辛さと気まずさなどがタイポグラフィーを駆使して描かれててビックリ。
私も人づきあいや情報量が多すぎる環境が非常に苦手なんで、いろいろと共感しながら読ませていただきました。いろんな人の救いになる本かと思います。
6.文豪の猫
タイトルどおり猫を愛した文豪たちの写真集です。ヘミングウェイ!トゥエイン!カポーティ!といった偉人が猫とイチャイチャしてる写真が続いて、それだけで幸せな気分に。
それぞれの写真には、猫と文豪のエピソードや名作が生まれたプロセスも簡単にまとめられていて、文学がお好きな方にも楽しめるのではないかと。まぁ家にこもってずっと文章を書いてたら、猫と遊びたくなるよね……。
おまけ:人間レンタル屋
リア充アピール代行、レンタル彼女、結婚式の代理出席などなど、テレビでよく見かける”あのサービス”の内幕を、代行サービス業社の社長が語った一冊。なんで取り上げたかというと、うちの妻が文章構成に関わったからです(笑)
という話はさておき、ちょっと想像を超えるようなレンタルのエピソードが続く内容になってて、「人間の欲望限りなし!」みたいな気分になれるはず。まぁ「パレオな男」をお読みの方が興味を持たれるかどうかはわかりませんが、身内びいきも込みで結構おもしろいですよ。