今週末の小ネタ:口がすべりやすいタイミング、抹茶で不安が減る、人間は猫の表情を読めるのか?
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
口がすべって変なことを言っちゃうのはどんな時か?
口がすべってヤバいことを言ってしまうような体験は誰にもありましょうが、新しい実験(R)は「後で後悔しそうなことをついしゃべっちゃうのはどんなとき?」って問題を調べていておもしろいです。
ここでは3つの実験が行われていて、例えばそのうちひとつは、
- 参加者に出会い系サイトのプロフィールを書いてもらう
- 参加者の精神状態を調べて「覚醒」と「リラックス」の2つに分ける
- プロフィールの書き方に違いが出たかを調べる
みたいになってて、その結果わかったのが、
- 人間は覚醒状態のほうが恥ずかしい秘密をバラしがち!
- そして、覚醒状態で書いたプロフィールの方が、第三者からは「魅力がない」と判断されがち!
って傾向だったそうです。リラックスして楽に書いた人よりも、覚醒状態の人はより感情的な文章になりがちだったそうな。とりあえず、出会い系のプロフィールは興奮状態で書くなってことですね。
このデータを元に、さらに別の研究では「人間は運動後の方が秘密をバラしやすくなるのでは?」ってポイントも調べてて、やはり結果は同じ。たいていの人はエクササイズで覚醒した状態のほうが、パーソナルな情報を口にしやすくなったみたい。
で、研究チームいわく、
皮肉なことに、私たちが最も覚醒している状態の時というのは、実はもっとも発言に細心の注意を払わなくてはならないタイミングでもある。仕事の面接、メディアに出る時、仕事の大事なミーティング、恋愛の場など、当てはまる場面は多い。
とのこと。脳が興奮してるときはいらんことまで語りがちなんで注意してね!って感じですな。これはよくわかりますなぁ。
呼吸を意識して調節し、チルアウトできる音楽を聴くことは、覚醒レベルの調整法としてよく知られている。また、コーヒーを飲む量を減らしたり、十分な睡眠を取ったり、ちゃんと栄養を取ったりと、より伝統的な戦略を使うのも有効だ。
ってことなんで、変なことを言って後で後悔しないためにも、日ごろから覚醒レベルを意識しておくと良い感じです。
抹茶で不安が減るかも?
「抹茶で不安が減るかも?」というおもしろいデータ(R)が出ておりました。といってもまだ動物実験の段階なので注意が必要なんですが、そのデザインはだいたいこんな感じです。
- マウスたちを迷路に追い込んで不安感を高める
- 不安マウスに抹茶の抽出物を与えて様子をみる
ってことで、抹茶を飲んだマウスたちは、基本的に不安な行動が減ったんだそうな。
このような現象が起きたのは、なんでも抹茶の成分がセロトニンとドーパミンの働きかけるからだそうで、
さらなる疫学的研究は必要だが、私たちの研究の結果、長年にわたって薬効を示してきた抹茶が、人体にとって非常に有益である可能性が示された。
とのこと。これがどこまでヒトに適用できるかは謎ながら、お茶のリラックス効果については過去の研究でもよく記述されてるとこですんで、十分に見込みはありそうな気がしますねー。
人間は猫の表情を読める!
「人間は猫の表情を読める!」と主張する猫好きにはうれしいデータ(R)が出ておりました。
具体的にどんな研究だったのかと言いますと、
- 世界85か国から約6,300人の参加を募り、猫のショートクリップを20本ほど見てもらう
- 「この動画の猫の感情はポジティブですか? それともネガティブですか?」と尋ねる
みたいになってます。動画は猫の周囲がマスキングされていて、参加者はあくまで猫の「顔のみ」を見て感情を見抜くように指示されたとのこと。
でもって、どんな結果が出たかと言いますと、
- 平均スコアは20の正解のうち12点だった
- しかし、約15点の高スコアを叩き出せる人が13%ほど存在していた
- 基本的には男性より女性の方が猫の表情を見抜くのがうまい
だったそうで、基本的にはみんな「コイン投げよりちょい上」ぐらいの精度で猫の表情を見抜けるんだけど、1割ちょいだけ異様に猫の感情を見抜くのがうまい人がいるらしい。
研究チームいわく、
猫は表情を使って自分の気持ちを伝えている。表情を見抜くスキルを身につければ、あなたにも理解できるようになるはずだ。
とのこと。となると、「そのスキルってどうやって身につければいいの?」と思うわけですが、幸いにも研究チームが「猫の表情を見抜こう!クイズ」を公開してくれております。とりあえずはこれを使って自分の判断が正しいかどうかを見てみるといいんじゃないでしょうか。もちろん私もやってみたんですが、「俺もまだまだ修行が足りないな……」と思っちゃうレベルの結果でした(笑)