見た夢を自由にあやつるためにはどんなトレーニングをすればいいのか?問題
私が長らく抱いている希望のひとつに「明晰夢を自由に見たいなー」ってのがあります。「あ、いま自分は夢を見てるんだな」と気づいて、その夢の内容を自由に操れるというアレですな。
明晰夢を見たい理由はシンプルに好奇心なんですけど、他にも意外なメリットがいくつか報告されてまして、
みたいな話があったりします。いずれも研究例が少ないのでまだまだ謎が多い話ではありますが、とにかく夢をあやつれるんだったら体験してみたいもんだと思うわけです。
で、具体的に「明晰夢」を見る方法はいくつか開発されてまして、「そのなかでもベストなのはどれ?」ってのを調べたデータ(R)が出ておりました。これはアデレード大学などの調査で、まずチームはこんなことを申しておられます。
最近のレビュー研究によると、成人の55%が少なくとも過去に1回は明晰夢を経験しており、23%が定期的に(1ヶ月に1回以上)の明晰夢体験を持っている。そのうち全体の約3分の1は、夢の内容を自由に制御できるようだ。
近年では明晰夢のメリットも報告されており、悪夢の治療、身体スキルの改善、問題解決力の向上などが言われる。これらのメリットは、夢の中で現実をリハーサルできるのが原因だと思われる。
明晰夢を体験できる人は意外に多いみたいっすね。うーん、うらやましい。
ってことで、この研究では明晰夢に興味を持つ男女355人を集め、みんなに5種類の明晰夢トレーニングをしてもらったそうな。
- リアリティテスト(RT):一日に数回ずつ「自分は夢を見ていないか」を考えて、周囲の環境を調べてみるトレーニング。
- ウェイクバックトゥベッド(WBTB) :就寝から 5時間後にいったん目を覚まし、その後ふたたび寝床に入ってレム睡眠を維持する。
- MILD:就寝から5時間後にいったん目を覚まして、再び寝床に入る前に「次に夢を見ているときに、私は自分が夢を見ていることに気づくだろう」と何度かくり返す方法。
- SSILD:就寝から5時間後にいったん目を覚まして、視覚、聴覚、身体感覚に20秒ずつ注意を集中させてから再び眠りにつくという方法。
- ハイブリッドテクニック:MILDとSSILDの要素を組み合わせた手法で、就寝から5時間後にいったん目を覚ましたら、「次に夢を見ているときに、私は自分が夢を見ていることに気づくだろう」と何度かくり返し、繰視覚、聴覚、身体感覚に20秒ずつ注意を集中させる
でもって、1週間の成果を見てみたら、結果はこんな感じになりました。
- MILDとSSILDはどっちも同じぐらい明晰夢を見るのに役立つ
- ハイブリッドにしたところで効果が上がるわけではなかった
- リアリティテスト(RT)は明晰夢を見るのには役立たないかも
- 明晰夢を見るのにもっとも重要なのは、「起きてから具体的に夢の内容を思い出す」ことと「夜間に目覚めてから10分以内に眠りにつくこと」の2つだった
ということで、これを見る限り「明晰夢を見たければMILDとSSILDで!」ってことになりましょうか。とりあえずMILDのほうが簡単そうなんで、まずは1週間ぐらい続けてみるか……。