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スポーツ前のルーチンで本当にパフォーマンスは上がるのか?でもって、どんなルーチンが効くのか?みたいな話

 
 

スポーツ前のルーチンでパフォーマンスが高まるって話は有名っすね。バッターボックスに入る前にバットを3階振ってみたり、フリースローの前にバスケットボールをくるくる回したりとか、そういったルーチンのことっすね。

 

 

でもって、新しいメタ分析(R)では、こういったルーチンで本当にパフォーマンスは上がるのか? ってところをガッツリ調べてくれれていい感じでした。ルーチンの効果を確かめた研究は過去にもあったものの、いくつものデータをまとめて大きな結論を出してくれたのは初めてではないかと。

 

 

そこで、研究チームは、ルーチンの効果を調査した研究を片っ端から調査。その結果、合計33の論文をまとめてみたところ、まずは大きな結論はこんな感じになりました。

 

  • 研究デザインに関わらず、ルーチンはパフォーマンスの改善に効く
  • プレッシャーが大きくなるほどルーチンの効果のほうがちょっとだけ高くなり、プレッシャーが低い実験の効果量は0.64(95%CI=0.45-0.83)、プレッシャーが大きい研究では0.70(95%CI=0.24-1.16)だった
  • ルーチンは、サブエリートやエリートアスリートよりも、初心者の参加者のほうが効果的だった(ただし統計的に有意ではない)

 

ということで、これまでも言われてたとおり、やっぱ本番前のルーチンはパフォーマンスアップに効くみたいっすね。プレッシャーが大きいほど効果があるってあたりもすばらしく、全体的には、集中力を高め、自己効力感やコントロール感を高め、不安や注意散漫を減らすメリットがデカいらしい。これは試験前なんかにもつかえるかもですな。

 

 

ちなみに、具体的なルーチンにはどんなものがあるのかと言いますと、

 

  • 身体的なルーティン:土俵入りの前に何度か四股を踏んだり、テニスラケットをくるくる回してみたり、みたいなやつ

  • 運動イメージ:自分がうまくやっている様子を事前に想像したりとか

  • セルフトーク:「俺ならできる!」みたいにじぶんい声をかけたりとか

  • リラクゼーション:緊張をほぐすために深呼吸したりとか

  • ダイナミックハンドグリップ:運動を行う前の約30秒間、1秒間に約2回のペースで、左手先を握り締めることです。

  • クワイエットアイ:運動の前になにか1点を見つめること。ボールだけをガッツリ見つめたりとか

 

みたいなのがあります。ハンドグリップとかはクワイエットアイはスポーツじゃなくても使えるんで、試験前のルーチンに取り入れるのもよさそうっすね。

 

 

もっとも、このメタ分析では、パフォーマンス前のルーチンの種類を特に分けて分析してないんで、どのルーチンが良いのか?みたいなことはよくわからんのですが、すごーくざっくり言えば「どんなルーチンでも平均してパフォーマンスを向上させるっぽい」とは言えそうなんで、好きなものを使えばいいんじゃないかと(不安に強く悩んでいる人はリラックス系のほうがいい可能性はありますが)。

 

 

また、その他の留意点としては、

 

  • いろんなルーチンを組み合わせた場合と、ひとつのルーチンだけを使った場合では、どっちがいいってわけでもないようなんで、ここらへんも気にしなくてよさそう。

 

  • ルーチン研究では筋トレのパフォーマンスを検証したものはほとんどないので、そこらへんへの効果は不明

 

といったあたりも頭に入れとくといい感じです。いずれにせよ、バスケのフリースローとか、正確なサーブを決めるとか、体操の技を行うとか、そういったタイプの運動にはルーチンが役立つ可能性は非常に高いんで、スポーツをやってる人はぜひお試しを。

 

 

よしんばさほどの違いを体感できなかったとして、どのテクニック無料も簡単にできし、明らかなデメリットもないので、自分が好きなルーチンを見つけて取り入れてみるといいでしょうね。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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