ビートルートジュースを飲むと、どこまで運動のパフォーマンスは上がるのか?のメタ分析
個人的に運動系サプリとして気になってるのが硝酸塩であります。ほうれん草やセロリに豊富な成分で、体内に入ると一酸化窒素に変換され、これが血流を増やしてくれるんですよ。そのおかげで、
- 運動のときにムダなエネルギーを使わなくてすむ
- 筋肉の収縮パワーがアップする
- 細胞がグルコースを取り込んでエネルギーが増える
- 筋肉が疲れづらくなる
といったメリットが得られると考えられてまして、HIITみたいにハードな運動をしている人ほどメリットが得られるんじゃないかと思っております。
ということで新たに出たメタ分析では、「硝酸塩を飲んだらどこまで運動のパフォーマンスが上がるのか?」ってとこを調べてくれてていい感じでした。これは19件の研究で得られた268名の参加者(男性218名、女性50名)のデータを対象にしてまして、
- 硝酸塩を1回飲んだあとのパフォーマンスアップ
- 硝酸塩を飲み続けたあとのパフォーマンスアップ(5~6日)
がどれだけのもんかを深堀りしております。しかも、分析にあたっては、実験に参加した人たちの生データを集めてまして、そのうえでメタ分析を行ってるのが大きな強み。一般的なメタ分析は各文献ごとのサマリーデータを使うので、その点で今回の調査は「お疲れさまです!助かります!」って感じですね。
いちおうデータの細かいとこをメモしておくと、
- 硝酸塩の摂取量は6.4mmol(約400mg)から15.9mmol(約1000mg)の範囲
- 硝酸塩を摂取するためには、ビートルートジュースを使うことが多め
- 効果の大きさは研究ごとに違うけど、19件の研究すべてが「プラセボよりも硝酸塩が良い!」と報告している
みたいになります。硝酸塩は野菜でもとれますが、やはりビートルートジュースを使うのが手軽ですもんね。
でもって、分析の結果をだだーっとまとめておくと、
- 硝酸塩を1回飲むと、その後で最大パワー生産量が統計的に有意に増加する(効果量=0.54、p<0 .0001="" li=""> 0>
- 硝酸塩を5~6日飲み続けると、やっぱり最大パワー生産量が増加した(ES=0.22、p=0.00)
- 研究にはいろんな参加者がふくまれていたが(心不全患者、高齢者、オリンピック選手など)、硝酸塩の効果には差は出なかった
みたいになります。どうやら硝酸塩ってのは、性別や運動量に限らずにパフォーマンスアップ効果をもたらしてくれるみたいですね。
こうなると、「硝酸塩でどれぐらいパフォーマンスが上がるの?」ってとこが気になりますけど、統計的に有意な平均の改善率は約5%って感じだったそうです。この数値をどう見るかは難しいものの、個人的な感想としては、
- そこまで激しく効果的だ!とは言えないものの、筋トレやHIITの効率アップに使うのは十分にありじゃないですか?
ぐらいには思いました。完璧なパフォーマンスアップサプリだ!って感じじゃないけど、硝酸塩が筋力、筋力持久力、パワー出力を適度に向上させるのは間違いなさそいうですからねー。
とはいえ、市販のビートルートジュースはまだまだ高価な印象がありますんで、私としては「運動の前にビーツ、ほうれん草、セロリ、ルッコラなんかを食べてみてはいかがでしょう?」ぐらいの提案にとどめておこうと思ってますが。