これを食べたら太る……とか思わず好きに食べる人ほど実は痩せてるし幸福な件について
「直感的に食事をする人ってメンタルが健やかだよねー」みたいなメタ分析(R)が出ておりました。「直観的な食事」ってのは1990年ごろに作られた言葉で、ざっくり言えば以下のような食べ方をする人のことです。
- お腹がすいたときにだけ食事をする
- 特定の食品を「食べちゃダメ!」とか思わない
- 感情的な理由ではなく、身体的な理由で食べる。ストレス解消のために食べない
- 自分の空腹と満腹の合図を信頼している
直感的に食べる人は、あくまで身体が必要とするぐらいの食事を食べて、「やけ食い」とか「手持ちぶさただから食べる」みたいなことをしないわけですな。確かにこれはストレスがなさそうな食べ方ですね。
で、実際のところ、昔から「直感的な食事ができる人ほどメンタルが安定してるのでは?」みたいな考え方がありまして、
- 直観的な食事をする人は、時間がバラバラな食事をしないし、厳しい食事制限もしない
- そのため、自分の肉体へのコンプレックスがなく心理的苦痛も低い
- そのおかげで、生活の質も一貫して高い傾向がある
といった報告がなされたきたんですよ。そこで今回のメタ分析では、97件の研究をもとに「直感的な食事」をしている人たちについて調べまして、
- 直感的な食事をしている人の特徴ってどんな感じなの?
ってのを調べてくれてます。ここでは「直感的な食事」をしている人たちのメンタルを23にわけて、おおまかに以下のような傾向を確認しておられます。
- 直感的な食事をする人には、以下の特徴がなかった
- 不安定な体重
- 暴飲暴食
- 食べるのを我慢する
- 感情だけで食事をする
- 空腹の感覚ではなく、視覚、味覚、嗅覚なの外面的な手がかりに反応して食事をする
- 摂食障害
- 「こういう見た目じゃないとダメだ!」という理想
- 体型や体重への不安
- 不安症状
- 抑うつ症状
- 否定的感情
- 直感的な食事をする人には、以下の特徴があった
- 他者から身体の特徴を受け入れられている
- 自分の身体への評価の高さ
- 身体機能の高さ
- マインドフルネス
- ポジティブな感情
- 自尊心
- 社会的支援
- 全般的な幸福感
というわけで、昔から言われてきたとおり「直感的な食事」は幸福感と大きな関係性があるらしい。まぁいちいち食事のことを気にしてたらイライラするでしょうから、これはよくわかりますね。
が、だからといって「直感的にガンガン食事をすればいいんだ!」ってわけではないのでご注意ください。これはあくまで観察研究なので、なにか別の原因が「直感的な食事」につながってる可能性は十分あるわけです。
そこで、この研究チームが主張してるのが、
- 他者による身体受容が大事なんじゃないの?
ってポイントです。簡単に言えば、他人から体型をバカにされたりせず、そのおかげで自分でも「まぁ自分はこれぐらいの身体でいいかー」と思える人ほど、直感的な食事をしやすいのでないか、って考え方ですね。
それもそのはずで、「自分の身体はこれでOK!」と思える人は、社会のルールや理想に従わねばならないと感じる可能性も低いでしょうから、たとえば、インスタでめちゃくちゃプロポーションが良い人を見かけてもコンプレックスを抱かず、無理なダイエットや食事法には手を出さないわけっすね。
言いかえれば、友人や家族に自分の体を受け入れてもらい、なおかつ自分でも他人の体をバカにしなければ、人間が生まれながらにして持っている直観的に食べる能力を使うだけで、健康的な肉体と幸福感を維持できるんじゃないすか?ってことです。これは良い話ですねー。
実際、このメタ分析では、「自分の体を尊重する人は空腹や満腹の合図に敏感!」とか「自分の体を受け入れている人は、身体の合図を尊重する!」っていう過去の研究も例にあげてたりします。自分の身体への不安や不満が人類の生まれ持った直感を阻害してるってのは、なんともありそうな考え方ですね。
ちなみに、この問題については「不老長寿メソッド」 などにもくわしい対策をまとめてますんで、心当たりがある方はどーぞ。さらには、当ブログでも過去に「ボディイメージ対策」として合わせていろいろ紹介してますんで、こちらも参考になるかと。