【失敗の落ち込みに効く対策トップ3】と【やっちゃいけない対策ワースト5】
こんなご質問をいただきました。
ミスしたあとのメンタルのヘコみを対処する方法はないでしょうか? 鈴木さんの本で紹介されているワークに取り組んでいますが、そこで決めた目標を達成できなかった後で、必要以上に落ち込んでしまうので困っています。こういう心のヘコみには何をすればいいんでしょうか。
とのことで、要するに「失敗について自分を責めすぎちゃう問題はどうすべきか?」みたいな問題かと思います。たんに自分のミスで落ち込むのではなく、自分責めが起きちゃうケースですね。
確かに、自責ってのはメンタルへの悪影響が非常に大きいことがわかっておりまして、特に完璧主義的な人にありがちな傾向かと思います。一度の失敗を悔やめば悔やむほどモチベーションは下がっちゃうんですよね。
この問題については、よく「細かいことは気にするな!」といったアドバイスもありますが、それで気持ちを切り替えられる人は少ないでしょう。かくいう私も失敗をクヨクヨしがちな性格なので、その感覚はとてもよくわかります。
では具体的にどうすればいいのか?ってことで、2011年にケント大学などがおもしろい調査をしています(R)。チームは149人の男女に日記をつけるようにお願いし、以下のポイントを記録してもらったそうな。
- 1日の間にどんな失敗をしたか?
- その失敗にどう対処し、どれぐらいの効果があったか?
そして、最後にすべての記録をまとめたところ、「失敗に効く対策のトップ3」と「やっちゃいけない対策のワースト5」が浮かび上がったんですよ。
まずは「失敗に効く対策のトップ3」から見てみると、以下のようになります。
- アクセプタンス:起きた失敗を否定したり無視するのではなく、「目標が達成できなかった」事実をまず受け入れる。また、失敗に反応してわきあがったネガティブな感情からも目をそらさず、「いま自分は焦りと落胆を感じている」という事実を受け入れる(感情を無視したり、無理やり笑ったりはしない)。さらに詳しくは「よくわかるセルフアクセプタンス入門」などをどうぞ。
- リフレーミング:「失敗」に関する良い側面を探して、失敗をポジティブに捉え直してみる。具体的には以下のように自問してみるといい感じです。
- この失敗から学べることは何か?
- この失敗によりどんな実験ができただろうか?
- この失敗で自分の能力は鍛えられただろうか?
- この失敗を元に、同じ目標に取り組む人にどんなアドバイスができるだろうか?
- ユーモア:失敗のなかに笑いの要素を探してみる(強引に笑うのではなく、おもしろいところはないかを探す)。「この失敗を使って友人を笑わせることはできないか?」と考えて、自分なりのエピソードトークを考えてみると、笑いの要素が見つかりやすいでしょう。
以上の3つは、あらゆる被験者に高い効果が認められたようでして、失敗に悔やむ自分に気づいたらまず使ってみるべきでしょう。いったん失敗を受け入れ、その後でポジティブに捉え直し、最後は笑い飛ばしてみるわけですね。
では、逆に「やっちゃいけない対策のワースト5」も見てみましょう。
- 自分の行動を責める
- 失敗や感情の動きを認めない
- 誰かに慰めてもらう
- 酒や娯楽で現実逃避する
- ガッカリしてただ傷が癒えるのを待つ
言われてみれば当たり前の内容ばかりですけど、失敗にヘコんでしまうと、ついついこの5つのどれかをやってしまう人は多いでしょうね。この5つについては、やればやるほど気持ちが沈む傾向がありますんでご注意ください。参考になれば幸いでーす。