感情を明確にするだけで目標達成率が向上!?感情の可視化がもたらすメリットの話
わたくし、「無(最高の状態)」で「自分の感情が曖昧だと病むぞ!」って話をしております。自分の感情が動いた時に、「なんかイライラするなー」とか「なんか嫌だなー」みたいに感情がはっきりしていないと、うつ症状になりやすいってデータがめっちゃ多いもんですから。
でもって、新しい研究(R)も「感情の明確さ」にまつわる話で、ここでは「感情をハッキリさせると意思決定や目標達成率が上がる!」って話になっていて勉強になりました。
この研究は、18歳から77歳までの男女215人を対象にしたもので、みんなにスマホのアプリを使ってもらい、1日に5回「今の感情の明確さは?」や「目標達成のために行動しているか?」といった質問に回答してもらったらしい。これにより、リアルタイムでの感情や行動の変動を記録してもらい、感情の明確さが、目標達成にどのように関連するかを観察したんだそうな。
具体的には、次のような尺度を使っております。
- 優柔不断の傾向:被験者が日常的に意思決定に迷うかどうかを自己評価したもの。
- 感情の明確さ:瞬間的に自分の感情がどれだけはっきりと認識できているかを5段階で評価。
- 目標達成:直前のタイミングから今までに、具体的な目標やタスクに取り組んだかどうか。
- ネガティブな感情:ストレスや不安といった否定的な感情を定期的に測定し、感情の明確さと目標達成の関連が単なるネガティブな感情による影響ではないことを確認。
そのうえで、全てのデータをまとめてみたら、結果はこんな感じになりました。
- 感情の不明確だと優柔不断になる:優柔不断な人ほど、瞬間的な感情の明確さが低い傾向がある。つまり、自分の感情が曖昧で理解できない人は、「なぜ自分がこう感じているのか」「何をすべきか」も不明確になっちゃうので、目標を達成するために行動できなくなっちゃうのだと思われる。
- 感情の明確さが高いと目標達成率が上がる:感情の明確さが高い人は、目標を追求するモチベーションも高く、タスクに取り組む確率が増加していた。これは、単に「気分が良いから目標達成率が高い」って話ではなく、「感情をはっきりと理解することでモチベーションが上がり、行動に移しやすくなる」ことを意味する。
- 感情の明確さは単なる「気分の良さ」とは独立している: 感情の明確さは目標達成の確率を上げるが、これは必ずしも「ポジティブな感情」である必要はない。たとえば、イライラしていたとしても、その理由が明確でさえあれば、目標達成率はアップする。これは、感情の明確さが単なる気分やポジティブな感情とは異なる独立した因子であることを示している。
ってことで、自分の感情を明確に理解できている人は、それがポジティブだろうがネガティブだろうが、目標の達成率がアップするみたいですね。
その理由は簡単で、主に3つのメカニズムが働いております。
- 目標と感情のギャップが理解できるため、行動計画を立てやすい:感情の明確さが高いと、「今の気持ち」と「目標達成に必要な気持ち」の間にあるギャップがはっきり見えやすい。例えば、「仕事での失敗が不安を生んでいる」「将来に対する不安が原因で行動に移れない」と自覚できれば、次にどのような行動を取るべきかが明確になり、達成に必要な手順や具体的な計画を立てやすくなる。
- 感情を理解することでモチベーションが高まる:感情を明確に理解できると、自分がなぜその目標を追求しているのかがクリアになり、目標達成の意義を再認識するきっかけになる。例えば、「達成感を味わいたい」「人に認められたい」といったモチベーションがあらためてはっきりし、その目標に向けたモチベーションが自然と高まる。
- ネガティブな感情を整理することで行動に集中できる:感情の明確さが高いと、ネガティブな感情が生じた際にもその感情の理由や背景を理解しやすくなり、感情に振り回されにくくなる。例えば、目標に向かう途中で不安やストレスが出てきた場合でも、「これは失敗への不安から来ている」と理解できれば、その不安を過剰に引きずらず、実行すべきタスクに集中しやすくなる。
感情が明確だと自分の立ち位置もはっきりするし、それによって、いろんなメリットが得られるわけですね。これはわかりやすいんじゃないでしょうか。
感情の明確さを高める方法はいろいろありまして、詳しくは「無(最高の状態)」をご参照ください。といっても、難しいことはありませんで、だいたい以下のガイドラインを守っていけば問題ないでしょう。
- 感情を言葉で表現する:感情を明確にするには、感じている感情に名前をつけるのが有効。例えば、「今は不安だ」「怒りを感じる」など、シンプルでもいいので感情を表現すると、自分の内面を客観視しやすくなったりします。感情に具体的な名前をつけることで、状況に対する対処法が見えてくることがありますんで。
- 感情の原因を考える:なんか気持ちが動いたら、「なぜこの感情が湧いているのか?」と問いかける癖をつけてみるだけでも、感情の曖昧さを防いでくれたりします。例えば「仕事でのミスが不安の原因かもしれない」や「対人関係の問題でイライラしている」といった原因がわかれば、その感情が突発的なものではなく、特定の要因に基づいていることが理解できますからね。
- 感情日記をつける:日記にその日の感情を書き出すことで、自分の感情のパターンに気づきやすくなります。定期的に見直すと、どのような状況でどのような感情が起きやすいかがわかり、次に同じ状況が訪れたときに適切な対応がしやすくなるんですな。
繰り返しになりますが、感情を明確に把握する力があると、優柔不断さが減り、行動への移行が容易になる可能性は高め。日常生活の中で感情の明確さを意識することで、目標達成のためのモチベーションが高まりますんで、ぜひお試しください。