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週1回でも効果あり!最新研究が教える“効率的なトレーニングで健康を維持する秘訣”

 

このブログでは、「健康でいられるための最低限の運動量は?」って話を定期的に書いております。

 

 

ここらへんを見てみると、私たちが健康を維持するには、毎日ジムに通ったりする必要はなく、フィットネス好きが言うほど厳しいエクササイズは必要ないみたいなんですな。

 

でもって、新しい研究(R)もよく似た内容を扱ってまして、まず結論から申し上げますと、

 

  • 週1回のトレーニングでも、一定の筋力や体力は維持できる!

 

って感じになります。これは「しっかり運動したいけど時間が取れない!」とお悩みの方には、めっちゃ有意義な話なんじゃないでしょうか。

 

 

 

週1回の運動頻度でトレーニング効果の維持は可能か?

この研究は、20歳前後の健康な女性34名を対象に行われたもの。全員がトレーニングの未経験者で、健康状態にも特段の問題はなかったそうです。

 

研究は、まず「12週間の強度の高いトレーニング」を行った後、「頻度を減らしたトレーニング」でどれだけ成果が維持されるかを検証するという二段構えのデザインで構成されております。具体的には、以下のような感じになります。

 

  • 最初の12週間:集中的なトレーニング
    • 最初の12週間は、週2回の頻度で筋トレと有酸素運動を組み合わせた高強度トレーニングを行った。

    • 筋トレの内容:レッグプレスを使用し、初期は1回の最大挙上重量(1RM)の60%の負荷で行い、最終的には80%から85%の負荷に調整。各セッションで4セット×6回を目安に実施。

    • 有酸素運動の内容:高負荷なサイクリングを10セット行い、1セットごとに1分の休憩を挟む形で行う。最大酸素摂取量(≒持久力)を100%まで引き出す強度で、全身の持久力を高めるのが目的。

 

ってことで、まずはこの12週間の集中トレーニングをやってもらい、参加者の筋力、筋肉量、有酸素能力をがっつりと改善してもらったらしい。結果としてどんな改善が見られたかと言いますと、

 

  • 筋力(1RM):29%の向上
  • 筋肉量(大腿四頭筋の筋肉量):13%の増加
  • 持久力(最大酸素摂取量):19%の向上

 

みたいになります。でもって、この後でエクササイズの量をぐっと減らして、どのような変化が起きるのかをチェックしたわけです。

 

次の12週間では、トレーニング頻度を「週1回」「隔週1回」「完全にトレーニングを中止」の3つのグループに分け、それぞれの結果を比較。また、これらとは別に、36週間トレーニングを行わない対照群も設置し、完全休止による影響も併せて検証しております。

 

 

 

結果:週1回で筋力・持久力は維持可能か?

では、研究の結果を見てみましょうー。

 

  • 週1回のトレーニングは高い維持効果がある!:週1回の頻度でトレーニングを行ったグループは、筋力、筋肉量、持久力すべてにおいてほぼ変わらない数値を維持できた。具体的には、筋力、筋肉量、持久力のすべてが維持されてまして、つまり、トレーニングの頻度は週2回から週1回に減ったものの、強度やセット数が最初のトレーニングと同じであれば、これまでのトレーニング成果をしっかり維持できるかもしれないわけですな。

 

  • 隔週1回のトレーニング少しずつ低下するが、ゼロよりは効果あり!:隔週でトレーニングを行ったグループでは、筋力や持久力が徐々に低下しました。詳しい数値としては、「筋力:5%の低下」「筋肉量:6%の減少」「持久力:10%の低下」みたいになってまして、ある程度の維持効果は見られるものの、週1回に比べるとやや心許ない結果ですね。

 

  • 完全休止はトレーニング前に逆戻り!:トレーニングを完全に中止したグループでは、筋力や持久力が急速に低下しました。具体的な減少幅は、「筋力:14%の低下」「筋肉量:7%の減少」「持久力:16%の低下」って感じで、やはり、完全にトレーニングをやめてしまうと、過去のトレーニング成果が短期間で失われるみたいっすね。

 

ということで、この結果を見ると、「筋力や筋肉量を維持したいなら“週1回”のトレーニングでも十分かも!」な場合があるって印象っすね。適切な負荷をかければ、週1回でも筋肉を合成するメカニズムが活性化し、筋肉の分解が抑えられるんでしょうな。

 

私の場合も、本を書いている時などは頻繁にトレーニングができなかったりするんで、今回の研究には安心させられました。このデータを見る限り、具体的に守るべきポイントとしては、

 

  • 強度はそのままに保つ:回数を減らす分、負荷やセット数は以前と同じレベルを保つことで、神経系の適応を刺激する。
  • 部位を集中して鍛える:複数の部位を満遍なく行うのではなく、脚や胸など大きな筋肉に絞ってトレーニングするのも良いかも。
  • 持久力トレーニングも強度を保つ:特に有酸素運動では、最大酸素摂取量に近い強度で行うことが有効。

 

みたいになるでしょうね。もちろん、長期的な成長を目指すなら週2回以上が理想なんだけど、維持目的であれば週1回でも十分効果があるってのはナイスな知見ですな。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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