マインドフルネスを日常生活に活かすための「RAIN」法
「瞑想は人生を10%だけ幸せにする」で紹介した「10%だけもっと幸福に(10% Happier)」って本に出てた「RAIN」ってテクニックが、マインドフルネスの実践法をシンプルに説明していてとても参考になりました。
「RAIN」は、アメリカの有名な瞑想トレーナーであるタラ・ブラッシュが考案した方法で、RAINは以下の4つの単語の頭文字です。
- R: 認知(recognize)
- A: 受容(allow)
- I: 調査(investigate)
- N:非同一化(non-identification)
これは、日常生活にマインドフルネスを活かすテクニックを端的にまとめたもの。
例えば、ある日、いきなりTwitterで見知らぬ人から罵倒されたとしましょう。普通なら、反射的に罵倒を返すか、グッと怒りをこらえてやりすごすか、冷静なフリで反論するかの三択になるわけですけども、マインドフルネスでは、まず自分が怒っているのに気づく(recognize)ことからスタートするわけですね。
で、続いて怒りの感情を受け入れる(allow)のが第2段階。「オレは怒ってない」とムリをするわけでもなく、反射的に怒りに取り込まれるんでもなく、シンプルに「あー、怒ってるんだなぁ。OK、OK」と自分に許可を出す感じですかね。
さらに第3段階は、もっとも実践的なポイント。 怒りの感情によって、自分の体にどんな感覚が生じているかをくわしくチェックしていきます。「胸がカーッと熱くなってるな…」とか「呼吸が浅くなってるな…」とか「アゴに力が入っているな…」とか、できるだけ体のパーツを細かく調べていきましょう(investigate)。ここまで来れば、すでに怒りに巻き込まれなくなってるはず。
そして、最後に「怒りの感情が起きたけど、それは一時的な体の状態に過ぎないんだな」と理解したうえで、あくまで怒りに我を忘れず(non-identification) 、ムダに怒りを引きずらないように心をセットして終了です。
いやー、これはマインドフルネスの考え方が、コンパクトにまとまっていて素晴らしい。ただし、最初のうちは怒った瞬間に感情に取り込まれがちなんで、慣れないときはいきなり第3段階の「調査」から入ってもいいかと思います。
具体的には、
- Twitterで罵倒された!
- この野郎!アホか!
- いま「この野郎!アホか!」と思った。
- 胸の中央あたりが熱い感じがする。
- オレが何したってんだ!
- いま「オレが何したってんだ!」と思った。
- 耳たぶが熱を持っている…。
といったふうに、怒った直後の思考と体の状態を、自分で実況中継していくといい感じ。怒りと自分の間に距離が生まれるので、冷静な対応ができやすくなるかと思います。お試しあれ〜。