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心理学的に正しくお金を使うための8つのポイント

 

金で幸せは買えないんなら、どう使うのが正しいの?」って論文(1)を読んでおりました。以前に「なぜ物を買えば買うほど不幸になるのか?」でも紹介したとおり、いまの心理学では「物を買っても幸せにはなれないよ!」との見方が強いんですが、「じゃあどうすればいいの?」って疑問に答えたもの。

 



 

著者は「『幸せをお金で買う』5つの授業」のエリザベス・ダンと、「明日の幸せを科学する」(http://amzn.to/2tDb6Cr) のダニエル・ギルバートと、「自分を知り、自分を変える」(http://amzn.to/2szzuzM)のティモシー・ウィルソンでして、心理学界のスターぞろいであります。

 

 

で、ここでは「心理学的にお金を正しく使う方法」が8つのポイントにまとまっております。それぞれ見て行きましょう。

 

 

 

1・物ではなく経験に金を使う

これは「『幸せをお金で買う』5つの授業」でも一番強調されていたポイント。新しい服を買うんだったら、旅行に金を使ったほうが幸せになれるわけですね。論文にいわく、

 

何日も費やして、新しい部屋の床に使うベストな材木を選んだあと、やっぱりかつて好きだったブラジリアンチェリーの床のほうが良かったことに気づくようなケースは多い。これに対し、夕暮れのアフリカでチーターの赤ちゃんを見た記憶は、いつまでも輝きを残し続ける。

 

とのこと。わかっていても、なかなかできないことではありますが。

 

 

 

2・自分ではなく他人を喜ばせるために金を使う

これも多くの実験で証明されている話。ヒトは社会的な動物なんで、他人を喜ばせると自分も幸せになれる機能が、遺伝レベルで備わっているみたい。なんで、物を買う場合でも、他人のために金を払うんならOK。

 

 

 

3・高い物を買うのではなく細かく金を使う

ヒトの心には免疫機能が備わっているんで、新しい物を買ってもすぐに慣れちゃう。なので、高価な物を買ってすぐに飽きてしまうよりは、安い物に何度も金を出して慣れをふせぐほうが賢い選択。論文にいわく、

 

例えば、仕事のあとに友人とビールを飲む行為は、つねに以前とは違う小さな変化をもたらしてくれる。今週はインド産のビールが入荷しているかもしれないし、友人のサムが知り合いの女性を連れてきてくれるかもしれない。一方で、高級レストランに金を出した場合、メニューやサービスは先週と同じだ。小さな喜びは、つねに違う顔を見せてくれる。その結果、「飽き」を防ぐことができるのだ。 

 

 

 

4・修理や保証に金を使わない

こちらも心の免疫機能に関わる話で、ヒトは幸せに飽きてしまいやすいかわりに、悪いことにもすぐに慣れちゃうんですな。なので、もし新品の車にキズがついたとしても、すぐに修理に出さず、免疫が働くまで待つと無駄に金を使わずに済むわけですね。まぁ、このへんは価値観の問題も大きそうですが。

 

 

 

5・支払いは先に済ませる

支払いを先に済ませておくと、未来の体験や報酬への期待感が生まれ、そのおかげで未来に向けた前向きな行動を取れるようになるそうな。通販は届くまでが一番楽しいってのと同じ心理メカニズムですね。

 

 

 

6・ちっちゃなことを気にする

「小さいことは気にするな!」などとよく言われますが、実際のところは、転職や結婚のような大きなイベントよりも、腰が痛いとか隣人がうるさいといった小さな悩みのほうが、総合的な幸せを左右するもの。論文にいわく、

 

とても小さいが手入れの行き届いた家と、とても大きいが修理の必要な家が、同じ価格で売られていたとしよう。ぱっと見は大きな家のほうがいいように思えるかもしれない。しかし、週末ごとに配管工を呼ばねばならないとしたら、とても良い買い物とは言えないだろう。

 

 

 

7・商品について調べすぎない

ネットで買い物をしていると、ついついレビューを調べまくったあげく、どうでもいい欠点が目につき始めちゃうもの。この過剰な分析をふせぐためにも、商品についてはあまり調べ過ぎないほうが吉。自分がゆずれない最低限の不満さえ把握しておけば、あとは心の免疫機能が働いて、欠点に慣れさせてくれちゃう。

 

 

 

8・人気があるものを買う

個性を重んじる方には不満かもしれませんが、なんだかんだでヒトの心には、多くの人が「いい!」と言ったものを好きになるメカニズムが備わっております。ときに異常なほどの大ヒットが生まれるのも、この心理があるからですね。そんなわけで、迷ったときは人気があるものに飛びついちゃうのも幸せになるための近道かも。

 

 

 

まとめ

そんなわけで、心理学的に正しい8つのお金の使い方でした。とにかく、あまり調べすぎずに他人のために人気の高い経験を買い、支払いは先に済ませておくのが良いわけですね(笑)

 

 

ちなみに、似たような話として、過去に「お金で幸せを買う方法()(」なんてのも紹介してますので、あわせてご参照くださいませ。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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