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定番の美白クリーム「ハイドロキノン」の効果を高める裏ワザとは?

Skin
 肌の黒ずみにどう立ち向かうか
肌の黒ずみに関するご質問をいただきました。

黒ずみに悩んでおりまして、よく黒ずみが改善されるクリームがネットで販売されておりますが、効果はあるのでしょうか?

一度は試したものの、なんとなく黒ずみが薄くなった気はするのですが、経済的に続けるのが困難でやめてしまいました。 もし効果のあるクリームやらサプリをご存知であれば教えてください。

とのこと。これはよく聞くお悩みですねー。


当ブログでは、過去に「美肌に効く成分」をいくつか紹介してるんですが、さすがに肌の色素沈着にもなると、サプリで立ち向かうのはほぼ不可能でしょう。そのため、やはりクリームに頼るしかないかと思います。



 ハイドロキノンが黒ずみ対策のゴールドスタンダード
で、結論から言っちゃうと、現時点では肌の黒ずみにはハイドロキノン一択です。一般的に「肌の漂白剤」とも言われる有名な成分ですね。


皮膚科学の世界でも、ハイドロキノンは「黒ずみ対策のゴールドスタンダード」と呼ばれてまして(1)、その効果は疑いようがないところ。いろいろと黒ずみ対策の研究も進んではいるものの、いずれもハイドロキノンを超えられていないのが現状ですね。


ってことで、黒ずみ対策をしようと思ったら、とりあえずハイドロキノンクリームを試してみてくださいな。ネットで検索すると「ハイドロキノンには発ガン性が!」みたいな記事も出てくるかとおもいますけど、口から大量に飲まない限りは心配ないのでご安心ください(2)。


 ハイドロキノンは低用量からどうぞ
ただし、ハイドロキノンは効果が高いだけに取り扱いは注意が必要です。勢い込んでいきなり10%配合のクリームなどを使うと組織褐変(肌が青くなったりする)を起こす可能性もありますんで、まずは2%のクリームからじっくり攻めて様子をみてください。


とりあえず、2%で肌に異常がみられなければ、4%→5%といった感じでレベルアップしていけばいいのではないかと。

↓2%の商品

↓4%の商品

↓5%の商品

 ハイドロキノン+レチノール+ステロイド剤で効果が上がる
ってことで「ハイドロキノン最強!」で終わってもいいんですが、それではイマイチ面白くないので、 最近の研究動向にも触れとこうと思います。


というのも、昔から「ハイドロキノンにいろいろ組み合わせたらもっと凄いんじゃない?」って説がありまして、実際の実験でもそれなりに良い成績が出てるんですよ。


有名なのはナショナルスキンセンターの実験(2)で、260人の参加者を2つのグループにわけたんですね。

  1. ハイドロキノン4%だけを使う
  2. ハイドロキノン4%+フルオシノロンアセトニド0.01%+トレチノイン0.05%を使う

トレチノインってのはビタミンAの誘導体で、当ブログでおなじみの「レチノール」 と似たような働きをする成分。ただし活性レベルが非常に激しいのが特徴で、かつて私も自分の肌で試してみたところ、レチノール以上に肌が赤くなって困りました(笑)。まぁそれだけ効果がデカいわけですね。


また、もうひとつのフルオシノロンアセトニドは、昔からよく使われてきたステロイド剤の一種。炎症を抑える作用が大きくて、日本だと「フルコートf」なんかが有名でしょう。


要するに、ハイドロキノンとトレチノインは効果は高いけど炎症が起きやすいので、そこをフルオシノロンアセトニドで押さえつける作戦なわけですな。そこそこの荒業なんで、長く使う方法じゃないかと思いますが。


で、実験は8週間ほど続きまして、結果はハイドロキノンとトレチノインを組み合わせたグループの圧勝。肝斑のスコアが大きく減ったうえに、参加者の主観的な満足度も非常に高かったそうな。これは使えそうですねー。


もっとも、実験のデータを見ると、ハイドロキノンだけのグループにくらべて炎症の副作用は多く出てるんで、実践するときはくれぐれもご注意ください。まずはハイドロキノンとレチノールを組み合わせて、様子をみてからのほうがいいかも。


 まとめ
ってことで以上の話をまとめると、
  • まずは2%のハイドロキノンで2カ月ぐらい様子をみる
  • 変化がなかったらハイドロキノンを4%に増やす(副作用が出たらすぐに中止する)
  • 短期集中決戦で行きたいときは、ハイドロキノン4%+フルコートfレチノールを組み合わせる。ただし炎症が出たらすぐに中止すること

 って感じです。どうぞよしなに。

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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。