ベンチプレスQ&A マシンよりバーベル?バーを握る最適な幅は?etc...
みんな大好きベンチプレス! というわけで、ご存じのとおり上半身を鍛える最強のトレーニング法がベンチプレスであります。個人的にも筋トレのなかで一番好き(笑)
実は、当ブログに寄せられるご質問にもベンチプレスに関するものが多いもんで、ここらへんでざっくりFAQをまとめておこうかと思います。
Q 1.やっぱマシンよりバーベルのほうがいいですか?
これは本当に良く聞かれますけども、結論から言っちゃえばフリーウェイトのほうが効果は高いです。これは過去に何度も調査されてまして、いずれもマシンよりフリーウェイトが勝ってるんですよね。
たとえば2010年にカリフォルニア州立大がやった実験(1)では、
- フリーウェイト=筋電図検査では86%の刺激度(1RMの70%で計測)
- スミスマシン=筋電図検査では66%の刺激度(同上)
ぐらいの違いが出てたりします。2009年の研究(2)でも似たような結果が出ていて、ベンチプレスでもスクワットでもフリーウェイトのほうが上なんですよね。
ただし、これらの結果は、あくまで経験値が高い筋トレ好きを対象にしたときの数値なんで、初心者〜中級者ぐらいなら別に気にしなくてもいいかと思います。実際、上の2010年論文でも、初心者でくらべたときは有意差が出てないですからね。
かく言う私も、いまでも普通にスミスマシンを使ってます。筋力アップ用に高負荷でトレーニングをするときは、安全を考えてマシンを使ったほうがいいのではないかと。
Q2.これだけは守っとけみたいなポイントあります?
ベンチプレスのコツっていろいろありますが、個人的な経験だと「肩甲骨をくっつけようぜ!」ってアドバイスが一番効くような気がします。
具体的には、いったんバーを持ったら、肩甲骨でボールペンをはさむぐらいのイメージで寄せていけばOK。もちろん実際はボールペンなんてはさめませんけど、それぐらいの勢いで寄せてくといい感じです。
これの何がいいかと言いますと、
- 自然とヒジの位置が下にさがるので肩を傷めにくくなる
- とくに初心者の場合は上にあげる力が出やすくなる
ってとこでして、これはペンシルバニア州立大の2011年論文(3) でもお墨付き。パワーリフティング系では昔から定番のアドバイスだけあって、やっぱり効きます。
Q3.バーの握る幅で効果って変わります?
バーを肩幅で握ったときと、もっと広めに握ったときで、筋肉の発達に違いは出るのかって疑問です。
この問題を調べた研究って少なくて、かろうじて1997年に調査が行われております(4)。肩幅の広さを100%とした場合に、130%、165%、190%の4パターンの持ち方で、筋肉の活動にどんな刺激が出るかを調べたんですね。
その結果はといいますと、
- バーを広く握るほど筋肉の活動は大きくなった(肩幅の広さよりも130%で3%、165%で5%、190%で8%)
- ただしバーを狭く握ると上腕三頭筋の活動が大きくなった
みたいな感じ。要するに、
- 胸をブ厚くしたいとき=バーを広く握る
- 腕を太くしたいとき=バーを狭く握る
みたいな使い分けができそうですねー。そんなわけで、目的に応じて使い分ければいいんじゃないでしょうか。
Q4.バーベルを素早く動かすのとゆっくり動かすのってどっちがいいの?
これは目的によって違います。例えば2011年にイサカカレッジが行った実験(5)では、重りを上げ下げするテンポによってどんな違いが出るかを調べたんですが、
- ウェイトを1秒で上げ下げしたほうがパワーはアップする!
って感じだったんですね。パワーってのはウェイトをを素早く動かす能力のことで、スポーツをやってる人なら鍛えておきたいポイントであります。
いっぽうで、1秒で上げ下げをするには軽いウェイトを使う必要がありますんで、筋力がアップしにくいって問題が出てきます。筋力ってのは「どれだけ重いウェイトを上げられるか?」ってことで、パワーリフターにとってはこっちが重要。
要するに、
- 軽めのウェイトをすばやく上げ下げ=パワーがアップ
- 重いウェイトをゆっくり上げ下げ=筋力がアップ
って違いなので、目的に応じてチョイスしていただければと。ちなみに、「パレオ式筋トレメニュー」で「パワーアップの日」と「筋力アップの日」にわけてるのも、これが理由です。
まとめ
そんなわけで、ベンチプレスについてよく聞かれる内容にお答えしてみました。とにかくベストなベンチプレス法ってのはないので、目的によって効果が違うあたりを見極めつつやってくのがよいかと思います。どうぞよしなに。