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ハーバード式 ネガティブな思考に上手く対処する8つの方法

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「俺はダメだ!」とか「何も上手くいかない!」など、ネガティブな思考が頭にうずまいて離れない人はおりませんでしょうか? 何を隠そう、それはわたしです(笑)。

 

 

昔よりはかなりマシになりましたけど、生来のウツ気質なもので、いまも気を抜くと悲観的な思考に襲われちゃうんですよね。臨床心理の世界では「反芻」と呼ばれる行為でして、うつ病を引き起こす第一の要因とも言われるんで、はやめの対処が必要になってまいります。

 

 

ただ、以前にも書いたとおり、ネガティブな思考を強引にポジティブに変えようとしたり、完全にネガティブ思考を止めようと試みるのはNG。「シロクマのリバウンド効果」が起きて、ネガティブから目をそらそうとすればするほど、逆に否定的な感情に頭が支配されちゃう。 

 

 

と、そこで参考になるのが、シロクマのリバウンド効果を立証した、ハーバード大学のダニエル・ウェグナー教授が2011年に出した論文(1)。科学的な根拠にもとづいた、8つの対処法がまとめられております。 

 

 

1 集中的に気を逸らす

前述のとおり、ネガティブな思考を抑圧するのは時間のムダなので、まずは何か別のことに集中するように意識を向けるのがベター。論文では、「ネガティブな思考をしない」ことに集中するよりも、例えば「赤い車について考える」ことに集中したほうが、結果としてネガティブ思考に上手く対処できたって例が出ております。

 

 

このときのポイントは、集中の対象を1つにしぼること。「昨日のテレビ」とか「過去の良い思い出」とか、一気にいろんなものに気をそらそうすると、逆にネガティブな思考に意識がもどっちゃうらしい。集中の対象はなんでもいいので、好きな曲やテレビなど、1つのことにマインドフルネスに集中すればOK。

 

 

2 ストレスや精神的負担を減らす

ストレスがあったほうがネガティブ思考から気がまぎれていいと思う方もいるかもですが、これは間違った考え方。焦りや精神的な負担は、こころのエネルギーを奪い去ってしまうんで、ネガティブ思考に対処する気力が失われていっちゃう。

 

 

実験でも、ストレスが多ければ多いほど、ネガティブな思考がパワーアップしてもどってくるのが証明されてるとか。ネガティブ思考がわいてきたら、まずはサプリ瞑想などでストレスに対処しましょう。個人的には、ボディスキャンメディテーションが、もっともストレス対処には有効だと思います。

 

 

3 いったん思考を棚上げする

ネガティブ思考を止めるのはムダだけども、「あとでまたネガティブに考えよう」って感じで、いったん思考を棚上げするのも効果的。アホみたいなテクニックですけども、多くの実験で効果が実証されているそうな。

 

 

たとえば、ある研究では、不安症に苦しむ被験者に「30分後にまた不安になってください」と指示したところ、逆に不安が減ったんだとか。スケジュール帳に「16時からまたネガティブになる」とか書き込んでみるのもアリかもしれませんね(笑)。

 

 

4 逆にネガティブ思考に意識を集中する 

 ネガティブ思考が消えないんだったら、逆にその思考に意識を向けてやれ!という勇ましいテクニック。

 

心理療法の世界で使われる「曝露法」(あえてイヤなことに挑戦してみる治療法)に近くて、たとえば、「自分なんかダメだ!」って思考が浮かんできたら、その思考を避けずに意識を向けて、どんな感情がわきあがってくるかに集中してみればOK。これで、自分の考えが客観化されて、ネガティブな思考が勢いを失っていくわけですね。

 

 

5 ACT

新世代の心理療法といわれるACT(アクセプタンス&コミットメント・. セラピー)も、ネガティブ思考には非常に効果的。昔ながらの認知療法に瞑想を組み合わせたような方法で、具体的には「NHKのマインドフルネス特集が、瞑想ビギナーにはかなりオススメだった」や「ストレスに打ち勝つための4つの『脱フュージョン』テクニック」などをご参照ください。

 

 

6 瞑想

当ブログもさんざん取り上げている瞑想は、ネガティブな思考の対処に超役立ってくれます。瞑想は何らかのメリットを求めちゃいけない!って意見もあるんですが、実際にさまざまな効果が確認されているので、最初のうちは利益を得るためにやってみてもいいと思っております。

 

 

具体的な方法としては、「誰でもできるGoogle式マインドフルネス瞑想入門」や「瞑想ビギナーに激しくオススメな『手動瞑想』基本マニュアル」「NHKのマインドフルネス特集が、瞑想ビギナーにはかなりオススメだった」などをご参照ください。

 

 

 7 アテンショントレーニング

ちょっと時間がかかる方法ですが、アテンショントレーニングも有効な方法。不安に悩む人は、反射的に「ネガティブな表情」に意識が向かう悪いクセがついちゃってるので、これを治すための訓練であります。

 

 

実践したみたい方は、専用のiPhoneアプリが出てますので、「iPhoneで不安をやわらげるためのゲームアプリ『不安を軽減する』」や「ゲームで対人不安をやわらげるiPhoneアプリ『PersonalZen』」などをご参照ください。

 

 

8 とにかく書く

フロイトの時代から使われている定番の方法が、とにかくネガティブな思考を外に出すというもの。信頼できる友人に吐き出すんでもいいし、日記に書きなぐってもOKだし、自分にメールを送っても癒やし効果があるらしい。とにかく、ネガティブな思考だけでなく、自分にとって嫌な思考(「あいつを殴りたい」とか)も漏れなく書き出すのが大事。

 

 

まとめ

そんなわけで、ウェグナー教授がオススメするネガティブ思考の対処法でした。短期的には「思考の棚上げ」や「集中的に気をそらす」「とにかく書く」方法でしのぎつつ、長期的には「瞑想」「アテンショントレーニング」などで、メンタルの基礎体力をつけていくのが良さそうですねー。

 

credit: karlequin via FindCC


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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