トリックアートを見るだけで人間は寛容な気持ちになれる
https://yuchrszk.blogspot.com/2015/03/blog-post_4.html?m=0
「トリックアートを見ると寛容な気持ちになれるよ!」と主張する論文(1)がおもしろいのでメモ。
これはアラバマ大学の実験で、200人の学生を対象に行われたもの。全員をいくつかのグループにわけて、以下の条件を設定したんですね。
- 「ヒトの視覚がいかにダマされやすいか」を説明したうえで、定番のトリックアートを見てもらう(シルエット錯視とかチェッカーシャドー錯視とか)
- 「ヒトの視覚がいかにダマされやすいか」を説明するだけ
その後、学生たちに「輪郭のボケた人物写真」を見せたところ、
- トリックアートを見なかったグループは、写真の人物を「嫌な性格っぽい」などと即断しがちだった
- トリックアートを見たグループは、写真の人物を「いろんな性格に見える」と幅広い態度をとった
との傾向が出たそうな。研究者いわく、
総合的にみて、素朴実在論(「世界は見えたままに存在している」という考え方)の間違いを体験させると、より物事にたいして寛容で客観的な態度が生まれるようだ。(中略)この効果は、より寛容で心の広い社会を作るために役立つかもしれない。
とのこと。視覚のあいまいさを実感することで、自分の判断に距離を置くようになるわけですね。近ごろはヒトの認知のゆがみに関する本が多いですが、知識だけではなくて、とにかく体験してみることが大事だと。
そんなわけで、定期的にトリックアートに触れてみるのはメンタルヘルスにもよさげ。個人的には、「見えないゴリラ」や「OK GOのミュージックビデオ」がオススメです。
credit: PowerPatrick via FindCC