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不要なストレスと必要なストレス「パレオダイエットってなに?2015年版 #6」

Hunter gatherer

パレオダイエットってなに?」シリーズの6回目。今回はストレス対策の話です。


狩猟採集民のストレスはわりとシンプル
ストレスというと心理学系の話に感じるかもですが、遺伝子と現代環境のズレを調整するのがパレオダイエットの大きな目標。当然ながら。現代のストレス社会も重要な“ズレ”の1つであります。


では、まずは大事なストレスの種類から。

  • 急性ストレス:「車にぶつかる!」とか「トラが襲ってきた!」みたいな短期的なストレス。一時的に交感神経が活発になって、体が戦闘態勢に入る。
  • 慢性ストレス:「上司が最悪で…」とか「ずっと腰痛がヒドくて…」みたいな長期的なストレス。つねに交感神経が活発なので、体もいつも戦闘態勢に。

以上の2パターンが主なところですが、現代で問題になるのは「慢性ストレス」のほう。


というのも、原始人や狩猟採集民のストレスは比較的シンプルでして、

  • トラが襲ってきた!→逃げろ!
  • 食べ物が見つからない!→探そう!

といった急性ストレスがメインなんですね。いずれも解決策がハッキリしてまして、すぐに対処にあたれるのがポイント。いっぽうで現代社会のストレスはといいますと、

  •  上司が最悪で…→でもすぐに辞められないし…
  • ずっと腰痛がヒドくて…→いろいろやっても良くならないし…

といった感じで、なかなか明確な対策が見つからず、ダラダラとストレスが続くのが特徴であります。つまり、ヒトの体は急性ストレスに上手く対応するように進化してまして、慢性的なストレスをさばくのは超ニガテなんですな。


ただし現代人は急性ストレスが少ない
その結果は壊滅的で、不慣れな慢性ストレスが続くと、以下の症状があらわれることがわかっております(1,2)。

  • 血糖値の上昇
  • リーキーガット
  • 免疫力の低下
  • 肥満
  • 不眠
  • うつ病・不安症
  • 脂肪肝
  • 心疾患

 まぁ、とにかくあらゆる不調の原因になるわけですね。


 いっぽうで、現代では「急性ストレス」が少なすぎるって問題もあったりします。ある程度のストレスが体に良い例としては、


などなど。いずれも一時的に細胞に活を入れることで、逆にミトコンドリアなどを働かせる効果を持っております。 慢性ストレスは可能な限り減らし、急性ストレスを上手く取り入れるのがパレオダイエットの肝と申せましょう。


ストレス対策のガイドライン
 そんなわけで、以上の話からガイドラインをまとめますと、


  • 慢性ストレスと急性ストレスの区別をつける。



  •  週に1回は短時間(10〜30分)のハードな運動を行う。

  • 嫌いな人は可能な限り避ける。

  • ニュースのチェックは制限する。人間のメンタルは、悲惨なニュースの影響にとても弱いことがわかっている。


  • 1日10〜20分の瞑想を行う。


といったところ。「健康な食事をしてるのに痩せないんです!」という方の話を聞くと、たいていはストレスが原因だったりしますんで、できるだけ慢性ストレスは減らしていきたいもんです。
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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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