ダイエットにおいて、我々はどこまで遺伝子の奴隷なのか?
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遺伝子検査の結果によれば、わたしは「そこそこ体脂肪がつきやすいタイプ」とのこと。それじゃあ、「遺伝って具体的にどこまでダイエットに影響するの?」ってところを調べてみました。
遺伝によって脂肪の燃え方は4倍も違う
というところで参考になるのが、1997年の有名な実験(1)。一卵性双生児の参加者を対象に、遺伝とダイエットの関係を調べたんですね。具体的には、すべての参加者たちに93日間にわたって同じ食事とエクササイズを続けてもらったんですが、その結果は、
- ある双子は2kgの減量に成功!
- 別の双子は8kgの減量に成功!
といった感じ。まったく同じダイエットをこなしても、遺伝によって6kgも結果が違ってきちゃうみたい。すごい差ですねぇ。
研究者によれば、この結果はおもに脂質代謝の差がデカいらしい。まったく同じエクササイズをしても、遺伝型によって脂肪の燃え方がまったく変わってしまうわけですね。
ビール腹も遺伝の影響はかなりデカい
さらに、「脂肪のつき方」も遺伝の影響が大きいようで、12組の双子を対象にして、100日にわたって同じ食事を続けてもらったところ、- ある双子は13kgの増量!
- 別の双子は5.5kgの増量!
といった差が出た模様。これまた凄い差ですねぇ。脂肪がつきやすい遺伝子と脂肪が燃えにくい遺伝子を同時に持っていた場合は、どえらいことになりそうであります。
さらに長期の研究なのが、959人の男性を対象にした2003年の実験(2)。血液検査で全員の遺伝子型をチェックしたうえで、20年にわたって追跡調査を行ったんですね。
すると、DDというタイプの遺伝子を持つ男性は、腹まわりに脂肪がつく確率が2倍も高かったらしい。ビール腹も遺伝子の要素がかなりデカいんですなぁ。
もちろん、これは女性にも当てはまることで、2000年に日本の研究チームが483人を対象に行った実験(3)だと、
- 全体に脂肪がつきやすいタイプ(胸、腹、背中、腕など)
- ウエストだけに脂肪がつきやすいタイプ
- 腹まわりと 下半身に脂肪がつきやすいタイプ
の3種類にハッキリとわかれたそうな。
まとめ
というわけで、いろいろ見てみると、思ったよりも遺伝の影響がデカくてビビッてしまうわけですが、もちろん、これはあくまで“影響”であります。なんせ、遺伝的には脂肪がつきやすいわたしでも、やろうと思えば腹筋も割れるし、10%そこそこの体脂肪率はキープできてるわけですからね。遺伝にめぐまれた人たちを見て落ち込まずに、自分の遺伝子と上手くやっていくのが大事かと。
credit : Andy Leppard