ダイエットについて難しいことを考えたくない人は「胃の中でかさばる食事」を意識すればいいんじゃなかろうか
当ブログでは「ヒトが太る理由」として、ダメージ食品や食事の多様性といった8つの原因をあげております。さらに、その具体的な対策として「セットポイントの正常化」や「食事報酬の調整」、「カロリーの質の向上」などを紹介してきたわけですが、いかんせん長いのが悩みどころ。「細かいことはいいから痩せるための要点だけ教えて!」といった希望も多いわけです。
そこで近ごろいいかなーと思ってるのが、「胃の中でかさばるものを食べてください」ってアドバイスであります。というのも、なんだかんだでもっとも摂取カロリーを調整しやすいのは「胃のふくらみ」なんですよね。
といっても難しい話ではなく、要するに以下の図みたいな話です。
食品の種類によって胃の中を占める量はまったく違いまして、当然ながら葉物野菜のようにかさばったものを食べたほうが満足しやすいんですね。結果的に1日の摂取カロリーも減るわけであります。
具体的に食品のカロリーと体積の差を比較してみると、
- クッキー3枚=リンゴ1個
- アーモンドチョコ3個=ホウレン草2束
- 食パン1枚=大きめのブロッコリー1房
といった感じ。体積がデカいものほど栄養価が高い傾向もあるんですね。
実際、1995年に出た「食品の満足度」でも、食物繊維や水分が多い食品は脳に「満腹です!」との命令が行きやすく、逆に脂肪のように体積が小さいものは満足感を得にくいとのこと。これまで、ヒトの食欲をコントロールする要素としてレプチンやグレリンなどのホルモンを紹介してきましたが、結局は「かさばるものを食べる」のが一番手っ取り早いのではないかと思う次第です。
このポイントを意識すると他にもいろいろ良いことがありまして、
- カロリーの質が向上する:胃の中でかさばる食材は1カロリーあたりの栄養も多いので、自然とカロリーの質が高いものを選ぶようになる。
- 食事報酬が下がる:胃の中でかさばる食材は脳への刺激が少ないものが多く、濃い味付けや脂肪と砂糖の快楽に慣れた神経が鎮まりやすい。
- セットポイントが下がる:脳のセットポイント(脳が体重を自動調整する仕組み)は、カロリーの質によって変動しやすい。そのため、胃の中でかさばるものを中心に食べていれば自然とセットポイントも下がる。
といった感じ。とはいえ、難しいことは考えずに「低カロリーで胃をパンパンにするぞ!」とだけ意識すれば、大きく間違うこともないのではないかと。もちろん、たまには「胃の中でかさばらない食品」を楽しむのもアリですが、その場合も「最初にかさばるものから食べる」ことを心がけると食欲をコントロールしやすいかと思います。