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超高タンパク食は筋肉の増加には無意味だけど、体脂肪を減らすのには効くらしいぞ

Meat

 

筋肉をスピーディに増やすためには、厚労省の基準より高タンパクな食事が必要なのは間違いないところ。多くの研究では体重1kgにつき2gぐらいのタンパク質が筋肉の増加に効くことがわかっております。

 

 

 

1日に体重1kgあたり3.4gの高タンパクを摂ったら筋肉は増えるか?

が、まだよくわかってないのが、「タンパク質を増やす上限はあるの?」って問題。体重1kgあたり2gのタンパク質が効くなら、4gを飲めば効果も倍になるんじゃないの?ってあたりは、実はまだちゃんとした研究がなかったんですね。

 

 

で、その点を調べてくれたのが、最近ノバサウスイースタン大から出た論文(1)であります。参加者は、数年の筋トレ歴を持つ男女48名。全員を以下の2グループにわけて筋トレをしてもらったらしい。

 

  1. 中タンパクグループ:1日に体重1kgあたり2.3gのプロテインを摂る
  2. 高タンパクグループ:1日に体重1kgあたり3.4gのプロテインを摂る

 

高タンパクグループは、ざっくり1.5倍のプロテインを摂ったわけですね。筋トレは週5回のペースで行われまして、胸→腕→足の順番に日替わりでパーツをわけてトレーニングした模様。

 



高タンパク食で筋肉は増えないが、なぜか体脂肪が減る

そして8週間後の結果はと言いますと、

 

  • 中タンパクグループと高タンパクグループは、どちらも平均で1.5kgの筋肉が増えていた
  • 高タンパクグループは1.5kgの脂肪が落ちていた
  • 中タンパクグループは0.3kgの脂肪が落ちていた

 

といった感じ。タンパク質を50%増やしても筋肉の増加量は変わらない代わりに体脂肪は減りやすくなったみたいですね。うーん、すごい。

 

 

ここでおもしろいのが、高タンパクグループはプロテインを増やしたぶんだけ摂取カロリーも増えたはず(1日400calほど多い)なのに、なぜか体脂肪がガッツリと落ちているとこ。研究者いわく、

 

おそらく高タンパク食グループは、食物の産生熱量(消化や吸収のために使われるカロリー)、運動によるカロリー消費、NEATの増加、睡眠時のカロリー消費といった要素が組み合わさった結果、体脂肪の減少がもたらされたのだろう。

 

 とのこと。まぁ考えられる要因はいろいろあって、よくわからん感じですね。ちなみに、高タンパクグループには腎臓への悪影響はまったく見られなかったそうで、そのへんは安心してよさそう。

 

 

まとめ

そんなわけで、高タンパクは筋肉量のアップには役に立たないものの、やや体脂肪を減らす効果はあるかもという話でした。といっても、体重1kgあたり3.4gものタンパク質を食べるのは現実的ではないと思いますんで、やはり体重1kgにつき1.6〜2gぐらいの範囲で考えるのが無難かなーと思う次第です。当然ながらタンパク質の摂り過ぎは体に害がありますんで、そのへんも十分にご注意くださいませ。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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